のっけから大仰なタイトルで恐縮です。「愛のきずな」とは、『スイカズラ(忍冬)』の花言葉です。近所の奥さんが畑(野原)から採取したものだそうで、日頃、親しい会話さえも無い方ですが、花を通した話題で会話が弾むこともまた楽しいものです。
夫婦の愛のきずなも切れかかっている夢屋夫妻ではありますが、朝、何気なくヨモギの葉を見ると「ゾウムシ夫妻」が愛のきずなを確かめ合っておりました。
画像が不鮮明で恐縮です。「ゾウムシ夫妻の愛の営みに横恋慕を入れるような野暮なことはしない」ということでご容赦ください。ふと、同じヨモギの葉を端念に調べてみると、上手に丸められた葉先がありました。
ちょっと失礼してお宅を拝見させていただきますと、この巻き葉の中に残された抜け殻から、宿主は、「ハナグモ」の一種ではないかと思われました。さらに、もう少し端念にまとめられたお宅を拝見しますと、
青い丸の部分が、おそらく「ハマキガ」の仲間の繭(殻)じゃないかな…。もう一軒は、家主(赤丸)も居たのですが、画像で見えないな…残念。ウジ状の寄生虫が宿っていました。これもまたおそらくですが「ヤドリバエ」の一種であろうと思われます。「愛のきずな」というタイトルが、あらぬ方向へ展開し始めました。
昨日は、「オトシブミ」のメッセージを紹介しましたが、本日は一本のヨモギに宿す命の営みの紹介です。愛を育むベッドであり、獲物を待つトラップであり、成長のための揺りかごでもあるヨモギ。朝仕事の傍らで、こんな風にジトーっとヨモギを眺めているオジサンは、やはり変態的嗜好が強いのかもしれません。しかし、不思議だと思いませんか…来るか来ないかわからない獲物を待つクモがいて、そのトラップをかいくぐって、産卵するハマキガ。その幼虫の棲みかを的確に探し出して、食糧にしてしまうヤドリバエ。「愛のきずな」というより、もうこれは「食のきずな」でしたね。