その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋国王(一枚の絵)

2011-10-25 22:02:08 | 夢屋王国

学生時代に先輩に薦められて読んだ、(故)開高健氏の「裸の王様」という小説がお気に入りであります。氏は、この作品で昭和32年の芥川賞を受賞し、執筆活動に専念することになるのですが、少年の描いた創造的な絵を通して、見せ掛けの社会通念でしか生きられない大人や教育批判に感動したのでありました。
それ以来、子どもたちの描く絵は興味深く見させて頂いているのでありますが、開高健氏の批判する「きれいな絵」が評価される場合が多々あります。お決まりの「お話」を題材にした絵が張り出されますが、挿絵を上手に真似た絵が、未だに大人たちの評価を得るのであります。我が家の長女は内向的で、小さな頃から家の中で「写し絵」をして遊ぶ子どもでしたが、絵を描くという課題に対しては固まってしまう。夏休みに絵画や感想文の課題を出されると、提出するまで何度となく先生に催促されることしばしばでありました^^;
したがって、学校の図工の時間内で作品を仕上げることなど出来るはずも無く、何度か授業参観の日に私が残されて、先生と面談すること度々、先生もほとほと困ってしまったらしい^^;
「何故、描かないの↑」(父親:夢屋)
「何を描いて良いのか分からない。」…これが、描かない理由でありました。

そうした彼女が、二枚だけ絵を完成させました。
「お父さん、ようやく〇〇ちゃんが、絵を描いてくれました。」(ブロッコリー先生…あだ名)
感激した先生が電話までくれましたが、一枚目の絵が、鉛筆で描いた「名画:もやし」であり、二枚目が「名画:汚れたズック」であります。「もやし」は葉の部分に薄黄色の絵の具が、ほんの一寸塗ってあり、「汚れたズック」は文字通り学校の内履きの薄汚れた状態を、灰色で見事に描いておりました。
「Oh!!! この『もやし』の根っ子は、よく観察して描いてあるなぁ~!」
「ん~!!! この『ズック』の汚れ加減は、なかなか出せないねぇ~!」…(以上、夢屋夫妻)
あの時、褒めていなかったら、長女はイラストをやろうなどと言わなかっただろうに^^;
妻は未だに、フレームに入れた二枚の絵を大切にしているのであります。

昨日の地区文化祭で見つけた一枚の絵…「何だ、この黒いのは?」…はっはっは、ぞうさんの鼻かぁ!表情がとても素敵でした。

コメント (2)
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