ツバメが帰ってきました。ぬかるんだ畑の土をツバメが運んでおります。飛び去る方向を見ていると、恐らくご近所さんの車庫の梁に造られた巣の補修をしているに違いない。庭の松の木の枝では、キジバトがペアリングを始めている。近々、共同作業の巣作りが始まることだろう。長閑な春の営みが繰り広げられているのであります。
昨日とは変わらない、変わっていないと思っている足元の風景が、毎日大きく変化しているのであります。「大沢山」の斜面にアズマイチゲが咲き始めました。昨日まで気付かなかった光景であります^^;
「スプリング・エフェメラル」…春先にこうして花を咲かせては、いつの間にか(地下茎を残して)翌春まで姿を消してしまうのであります。毎年、同じ事の繰り返しであります。けれども、必ず来年もそこに咲いていると信じて疑わない。失ってしまってから、初めてその存在感に気付くのであります。
珍しくもない越冬後のキタテハでありますが、この一枚を撮るのに結構苦労いたしました。春の日差しに羽を拡げて、体温を確保するのでありますが、今日は3頭ほど同じ山道に出ていて、お互いの縄張りを主張するものだから、折角足元で休んでいるところを撮影しようとすると、他の1頭が邪魔しにやってくる。追い掛け回したところで、すり抜けていくことは織り込み済みなので気の無い振りをして、野うさぎの痕跡などを追っかけるのであります。
気の無い素振りを見せると傍にやって来て、また翅を上下に開いて気を引こうとする。一寸した男女の恋の駆け引きのようでもあります^^;
捕虫網を振り回せば、一発ゲットとなるところでありますが、ダンディな『夢屋国王』は、金に物を言わせて彼女を捕獲したりすることはしない。息を潜めて近づいて、一礼をして、お近付のしるしに記念撮影の許可を頂く訳でありますが、気難しい彼女たちは、無粋な男を見るとさっさと逃げ出してしまうのであります。今日のお互いの距離は1m…明日は50cmまでのお許しを得られるでしょうか。
まぁ、振られたところで、痛くも痒くもありませんけどね^^;