「どや顔」で自慢する彼が小憎らしい^^;
満腹中枢が壊れかけている「彼」は、おねだりしても「おやつ」が貰えないと悟り、本箱の前で、『おやじぃ』に背を向けすねていた。見ようによっては、総勘定元帳を眺め、農園の経営状況を真剣に「哲学」しているようにも見えなくもないのだが、所詮、猫♂である。「猫に小判。猫にバランスシート。」と言うではないか…『夢屋農園』の資産状況を分析し、「彼」が毎日食べているドライフードが量販店では一番の安物で、「彼」の労働に対する報酬が妥当なものかなどという分析は出来ないはずである。否、「彼」は、契約した「労働」すら提供していないのである。昨日も本箱のファイルをひっくり返し、『おやじぃ』に犯人(犯猫)と決めつけられたではないか?
「彼」が「哲学」しているのは、総勘定元帳ではなく、その上に置いてある「猫缶」に相違ないのである。盗ったところで、缶の蓋を開ける技など身に着けていない。安心して『おやじぃ』は昼からの野良に出掛けるだよ^^; と、その刹那「バタン!!!」と物が落ちる音がして、「くりゃ~!!!」と怒声を上げる前に、「彼」はドアの前まで身を翻していた。
「頭を逆さに撫でであげよう^^;」お仕置きのゲンコツを握って「彼」を追うと…「彼」の口先には、中位の『チュー太郎』がぶら下がっていた。『おやじぃ』が知るかぎり、「彼」の初手柄である。こんな時は褒めてあげなければならない。喰らうために獲った訳でもない『チュー太郎』の代わりに、『おやじぃ』は大好物の「猫缶」を与えたのであった!
長男『ポン太郎君』試作中の「菊のり」ですが…
当然、『でぶ九郎♂』初手柄の報は、自宅で夢屋家直伝の「菊のり」再興中の長男『ポン太郎君』にも伝えられ、おバカな親子で賞賛した。『ポン太郎君』もまた、蒸かし缶と百均のザルで上手に「菊のり」の試作を繰り返していたのである。これまた賞賛に値する。『おやじぃ』の思惑では、正月にぬるま湯で戻し、青物と和えれば、見た目にも美しい縁起物の「正月料理」になるはずである。こうしたチマチマした作業は『ポン太郎君』に限るのである!
さて、買い物から帰ったオッカーに『でぶ九郎♂』の初手柄を報告すると「クロちゃん♂すごいじゃな~い。」と褒めてくれたけれど、恐らく『チュー太郎』を持ち帰ったら、おもいっすま(したたか)怒られたに違いない。『おやじぃ』の記憶では「お袋」に教えられたのは「菊のり」の作り方だけだ…と言っていたような気もするが、「菊のりの作り方、教わってなかったけ?」と聞いたら「知らな~い。」のお返事。(まったく使えん奴だ^^;)彼女の眼には、「菊のり」を再興した長男『ぽん太郎君』と初手柄を上げた『でぶ九郎♂』しか映らないのである。『おやじぃ』が微かな記憶の中から要領を教えたんでしょうが…。まぁ、良いか…「どや顔」で『おやじぃ』を見上げる『でぶ九郎♂』とて、ネズ公を獲った「彼」の姿を見られたら、「JKさん」には嫌われることを『おやじぃ』は知っているから^^;
武士の情けである!「彼」の初手柄は、モザイクをかけてあげよう(笑) これにて、一件落着!