「寒煙迷離」…初冬の畑も廃墟かい?
「もう少し早くお日さまが差せばいいのにねぇ…。」ボヤキともため息とも取れる言葉に、長男『ポン太郎君』が笑っている。天気予報では確かに晴れマークなのだけれど、この節、霜と靄に日差しが午前中は遮られて、肌寒い中での外作業が続きます。正直、外作業は辛いお年頃でありますよ。下ズボン(タイツ)をはいて、ジャンバーで上半身を固めても、底冷えするような陽気に閉口してしまいます。ちょっとだけでも動き出すと身体も温まるのですが、動き出すまでのきっかけが重要であり、お日さまの日差しは格好の尻叩きなのでありますけれど^^; 主力の抑制キュウリも降霜後、一気に収量が落ちてしまい、これからは加工用の「山形青菜」を出荷して、ダイコン、ハクサイの冬越し対策を練るだけ…あとは、一年間の畑の残渣を片付ける毎日でありますよ。
ご近所の『ヨッコちゃん』が八戸から帰って来て、家主不在となった生家の後片付けをしている。懐かしくなって訪問すると、『ヨッコちゃん』もごま塩頭の『おやじぃ』を見て、「お互い同じようなジジィになったなぁ。」なんて、気さくに声を掛けてくれた。「そろそろ故郷に帰ってきたいんだけれど、この家ではねぇ…。」なんて言葉を吐かれる。「無人家屋を放棄する人たちが増えて行く中で、こうして後片付けをしてくれるだけでも田舎ではありがたい。」なんて、子どもの頃、遊んでもらった兄貴分に対等な言葉で話しておりますよ^^;
親父の残した「負の遺産」…植木屋さんをしています^^;
「雪囲い」も順調に進んでおります。(遅々として進みませんが、自分ではそう思っている^^;)お隣の『ケンちゃん』の家では、休暇であろう息子と「かざらい」を組んでおります。「オヤジが出来なくなったら、俺はこんなことしない。」と断言する息子殿に「やらせておけ、やらせておけ。やっぱり俺が居ないとこの家はダメなんだと思わせておけ。息子が出来るようになると親父は用が無くなったと急に老け込んでしまうから^^;」なんて余計なしゃいこ(手出し、口出し)をする『おやじぃ』であります。
「男結び」も「雪囲い」も出来る。が、あえてオラはやらないのだ。と若い頃はうそぶいておりました。世の中には、しない親孝行というものがあって、「家の息子はまだまだだ。」なんて親父には思わせていた方が良いというのが『おやじぃ』の考え方でありますよ。その親父も70代後半に入った頃からは、高所作業(屋根の雪下ろし)は絶対するなとだけは言っておりましたけれどね。「70過ぎの親父が屋根から落ちて怪我をしたら、笑われるのは40代の息子だから…。」…そんな親父が仕事で遅い息子を見かねたのか、庭木の「雪囲い」を片付け始めて、つまづいて後ろ向きに水路に転落してしまった…その時、初めて親父を息子がおもいっすま(したたか)怒鳴りましたけれど^^;(親父を怒鳴りつけるなんて、後にも先にもこの一度だけでありますよ^^;)そんな「しない親孝行」でありますが、今ではしたくても「できない親孝行」…『ポン太郎君』親孝行は前払いでお願いします(笑)