「菊腸」と書いて「きくわた」と読む^^;
魚類の「精巣」を食材とするときの呼び名を「白子」と申しますが、トラフグの白子には毒が無く、他の種では毒があると言われておりますから、人間の「食」への拘りにたどり着くまで、何人もの犠牲者を出して来たに違いない。「寒」の時期(1月上旬から2月上旬頃)に獲れるマダラを特に「寒鱈」と呼んで、山形県庄内地方では「どんがら汁」として、調理し振る舞われるのでありますが、輸送手段も整い、今では、内陸部でも新鮮な内臓付きの「寒鱈」を手に入れることが出来るようになりました。友人『ノロ社長』が『寒鱈鍋(どんがら汁)』を食べたいと食材をネット注文しましたけれど、この時期は海も荒れて、水揚げされる時期や配送される日が中々確定しません。ならば、『おやじぃ』が食材費を奢る約束で、市場に買い出しに出掛けたのでありますが、本日は、北海道産のマダラ半身と『菊腸(きくわた)』を手に入れた…残念ながら、味にコクを出すための「肝臓」が手に入らない…近くのスーパーにも寄って見たのだけれど、「肝臓」だけを売っている訳もなく、鱈の切り身(3切)とぶつ切り、少々の「肝臓」と「白子」をあしらった『寒鱈鍋セット』がエライ高くて、コチラは手控えた…宮城県産の「磯海苔」なるものを手に入れ、『磯の風味』だけは醸し出せるかもと食材不足を『誤魔化す』のでありました^^;
『料理長』が折角の生食用『菊腸』を鍋で煮ようとするから、それでは勿体ないと小皿に分けて、ポン酢で頂きましたけれどね…こうした食べ方は、昔は内陸部の人たちは知らなかった。我がお袋が大好きで、当時は低価で買い求めることも出来たのだけれど、今では高級食材ですわ(笑)
はい、お目当ての「どんがら汁」でありますが…
我が家では、「鱈ちり鍋」として醤油ベースで食べていたのだけれど、鮮度の問題もあるけれど、少々生臭みがあった記憶である。庄内風に味噌仕立てにしてみると、海苔の風味も手伝って、中々のお味でありました。寒風吹き付ける中を、フウフウ言いながら食べるのが醍醐味かも知れませんが、今年は、雪ではなく雨が降る陽気…「共通試験」の頃は、大荒れのことが多いのだけれど、今年は穏やかな試験日となっているようでありますよ。(余り、「雪が降らない。」などと口走ると、天の『雪の神様』が降らせることを忘れていたことに気付いてしまうので、ここは小声で語り、書き残す方が良いようであります^^;)
はてさて、腹いっぱい食べること、または、「足らい脹くるる(たらいふくるる)」が語源となったと言われる「鱈腹」でありますが、冬から早春が産卵期と言われており、『寒鱈』は、産卵期を前に、『荒食い』しているに違いない。お腹はぷよぷよ…そんな『寒鱈鍋』を『おやじぃ』たちも「鱈腹」頂いて、やっぱりお腹がぷよぷよ…『産卵期』なだどというモノは、とうの昔にご卒業しているから、蓄えるエネルギーは『無駄』そのものだったりしてねぇ(笑)
『無駄な元気』や『無駄な栄養』を蓄えて、もう少々働かなければいけない。次のネタは『恵方巻』同級会ですかねぇ…旬のモノを旬の時期に食べる。人間としての『旬』はとうの昔に過ぎてしまってはいるけれど、CMに乗せられて、何とか時代について行こうと必死ですわなぁ。「来年もまた…」という言葉が妙に怪しげになっているお年頃でありますから、出来ることは出来る内にしておかないとね(笑)