昨夜から少し咳が出だしていたのだが、朝になってもすっきりしないので午後からのキックボクシングの練習を控えることにした。
天気予報によると明日から2日ほど雨天のようだ。そこで、女房どのと2人、気になっていた平戸紐差(ひもさし)の「慈眼(じげん)桜」に会いに行くことにした。
愛車アルファ159で我が家を発ち、一路平戸紐差まで。通い慣れた懐かしい道だ。
樹齢約140年の慈眼桜は、静かに私たちを迎えてくれた。既に満開の時期は過ぎ、花が散り始めていたが、そのおかげで観光客もなく、ゆっくりと老木と向き合うことが出来た。
帰途、慈眼桜から程近い「平戸紐差カトリック教会」に立ち寄った。平戸はキリシタンの島だ。其処此処に教会があるが、その中でも、この教会は圧倒的な大きさを誇り威厳のある佇まいを見せている。
紐差教会を後にして間もなく、私の祖先が代々暮らしてきた川内町の神社に寄った。現在、東アジアの英雄と呼ばれた「鄭成功(ていせいこう)」の居宅跡として立派な記念館が建っているが、その場所で私の祖父母は暮らし、私の父や叔母たちが育った。私も、幼い頃に当時の家で遊んだ記憶がある。
境内の一角に鄭成功が手植えしたと伝わる樹齢300年を超すだろう「梛(なぎ)」の木が今もそびえている。私たち家族は、ここに来ると必ず梛の木に手のひらを当てる。女房どのも、今日やはりそうしていた。私も両の掌を幹に当て「ただいま」と声をかけた。
平戸は私と女房どのの故郷だ。私の祖先は代々、平戸の川内町で暮らしてきた。また、女房どのの祖先も平戸の志々岐(しじき)町で代々暮らしてきた。
平戸に来ると何となく心持が違ってくるのが感じられる。それは、やはり私のルーツがこの島にあることによるものなのだろう。
平戸大橋を渡り終えたところで、女房どのに見せるべく「田平教会」に立ち寄った。
そのレンガ造りの美しい佇まいは女房どのを直ぐに虜にした。
女房どの「ここで、くーちゃん(くるみさん)の結婚式を挙げさせよう」
私「辺ぴじゃない?ここまで来るのにみなさん大変だよ」
女房どの「佐世保駅から、峰野家御一行様のバスを走らせるとさ。そこまで考えてた」
まんざら冗談でもないようだ。それほど、美しく心惹かれる教会ではあった。