夕方から雨が降り出しました。
「春さめや ゆるい下駄貸す 奈良の宿」(蕪村 歌のある風景より)読んでいた大岡信さんの本にありました。も少しして春雨が降る頃の情景が目に浮かんできました。大岡信さんは「ゆるい下駄」と「奈良の宿」がとてもよく合っていると書かれていました。そうですね、「京の宿」でしたらゆるい下駄は合わないですね。のびやかな奈良の景色にあっている気がします。
私が彼女にあったのは30年くらい前でしょうか。ある女性雑誌にリビングでくつろいでしる白髪の素敵な女性の写真とかの女が白いパンツをはいて海辺を散歩するがありました。いまでもとても印象に残っています。それがどんな記事だったかは覚えていません。そんな感じの女性が今日から通う工芸教室の主です。関西大震災の時からこの地で何か人のお役に立つ場所として教室を(展示会場)を始められたそうです。少しでも「ひとのこころがやすらぎますように」と。
この方との出会いは本当にうれしいです。こんなことがあるのでしょうか。そして、陶芸の先生もいろいろお話をしながら、教えてくださる先生でした。そこに流れる雰囲気に癒された時間でした。
人に出会うにはやはり時があると思うのです。もう少し早く出会ってしまっていたら、我の強い自分で大事な出会いに気が付かなかったかもしれません。そう、「ゆるい下駄」が「京都」とは合わないように。なぜあの時…と思う出逢いでも、ああ、あの時でなくて今でよかったのだと思えるのです。それを人生のからくりというのでしょうか。
陶芸で招き猫を余った土で作られた方がいました。「右手がお金?左手が友達?」と考えながら「いいわ、両手をつけてしまおう」と言われると「両手では万歳ですよ!」と先生。面白いお教室です。