甲信越地方の梅雨は明けたことになっているのだが、山では午後に強い雨が降ったりしていまひとつお天気が安定しない。昨年八が岳に出かけたときは勇み足だったため雨に降られ散々だったので今年は慎重に見極め、そろそろかと出かけることにした。
今年は裏銀座コースの縦走。まず烏帽子岳へ登るため前日は七倉山荘に前泊。以前七倉尾根を下ったときに通ったことはあるが、今では建て替わりすっかりきれいになっている。夕食はテラスでバーベキュー、朝も充実の朝食を食べて、0530時の乗合バスで高瀬ダムに向かう。
ダムから濁沢にかかる橋を渡って登山口へ
0600時登山口を出発。登山口には「12」という看板が立っていてここからひとつずつ数が減っていく。ブナ立尾根は日本3大急登のひとつといわれ、たしかに急登が続くが登山道はよく整備されており歩きづらくはない。個人的にはだらだら登りよりは急登の方が好きなので順調に高度を上げて行く。
誰が名付けたか、タヌキ岩
いい感じの木
ゴゼンタチバナ、イワギキョウ、イワオトギリ
いつ見ても妖艶なクルマユリ
思ったより早く1010時烏帽子小屋に着く。10分ほど休み、身軽で烏帽子岳に向かう。始めはガスっていて見えなかったが次第にガスが消え烏帽子の美しい山容が見えてくる
きれいな白い砂礫地のアプローチは燕岳の辺りと似ている。烏帽子岳と名の付く山は全国各地にある。高さでは塩見岳近くのそれに負けているが、美しさではこの烏帽子岳がいちばんではないだろうか
頂上直下は岩場のトラバースなどもあり高度感たっぷり
ロープを上りきったところが頂上(2628M)。この辺り、烏帽子岳というより烏帽子岩に近い気もする
下りは慎重に
振り返ってもう一度
1時間半ほどで小屋まで戻る。今日の予定はこの烏帽子小屋泊まりなのだが、まだ時間は12時前。この先3時間半ほどの野口五郎小屋まで行けそうだが、散々迷った結果予定通り今日はここまでとする。
最近はきれいに建て替わる小屋も多いなかここは昔の雰囲気のまま
小屋で受付を済ませ、時間はたっぷりあるので昼食をとる。今回は自炊予定で食料は十分持ってきたので胃袋に移動させて荷物を減らす。
登山口でいっしょになったテント泊まりの若い女の子は一人でのテント泊は初めてということで、人恋しいのかいろいろ語ってくれる。最近は女の子でもテントを背負う子が増えた。私はさすがにもうテントでの縦走はしんどくなって最近は下の方で張って頂上への往復しかしていないので、うらやましいやらたのもしいやら。
さらにはこんな人も
テント泊の若い男性2人組は日本酒の一升瓶、ウィスキーなど持参。いろいろ楽しい話をしてくれた。そんなに飲んで翌朝堪えないかと聞くと「全然」とのこと。若いと肝臓の働きもいいのだろうか、それにしても山のいろいろな楽しみ方があるものだ。
山では、普段は話をすることもないようないろいろな人と出会える。文字通りの一期一会の貴重な時間を楽しんで過ごす。