予定ではこのあと雲ノ平へ行く予定だったがそうなるともう山中でもう1泊しないといけない。1年で一番山が賑わう時期なので昨日は布団1枚に2名だったが、この土日は布団1枚に3人になりそうだ。やはりそれは避けたいので今日中に下山することにする。
現在いるところは北アルプスでも深いところなのでどちらに下りるにしても時間がかかりそうだが、新穂高へならがんばればなんとか歩けそうなので0430時、水晶小屋を出発。
まず岩苔乗越まで下りて黒部源流から三俣蓮華岳へ登る。できれば鷲羽岳を踏みたかったが、時間短縮のため省略。三俣蓮華と次の双六岳も巻き道があるが、ここはがんばって上の稜線を歩くことにする。
三俣蓮華から鷲羽岳。山の斜面が鷲が羽根を広げたように見えるんだけど。
水晶・鷲羽
今回も雷鳥と出会えた
双六への稜線と右に笠ヶ岳
振り返って水晶・鷲羽岳
槍から穂高への稜線
0850時双六岳頂上着。バックは黒部五郎・薬師岳
黒部五郎をアップで。今年はカールの雪も少ない
薬師岳アップ
双六の広々した山腹から槍へ一直線
槍の左稜線は北鎌尾根、手前の稜線は西鎌尾根
頂上で20分ほど眺めを堪能し双六小屋へ下りる。ここでうどんを食べてエネルギーを補給。弓折岳方面へ登り返す。
キレットを下にたどれば鏡平小屋が
槍ヶ岳はやっぱり立派だ
鏡平小屋の前は上る人、下る人で大賑わい。かき氷があったのでそれを食べて体を冷やす。空いていれば泊まりたかったのだが今日はそれどころではなさそうなので先へ進む。
条件がいいと鏡池には槍、穂高の稜線が映り込み逆さ槍穂が見られるのだが、今日は周囲の木しか見えない
熊のおどり場通過。本当に踊っていたら怖い!
さすがに登ってくる人が多い。登り優先の原則で道を譲ることが多く、余分な時間がかかるのがもどかしい。
こんな看板が出ているが他に通れるところがあるわけじゃなし
たしかに今の自分のようにヨレヨレの橋
1445時、わさび平小屋まで下りてくる。ここでラムネを1本。あとは1時間ほど緩やかな林道を下っていくだけなのだが、これが果てしなく長く感じられる。1時間や2時間は日常の散歩の範疇なのだが・・・。それでもなんとか1600時前に新穂高のバスターミナルに着く。最終の高山駅行きのバスの時間まで1時間ほどあるので温泉に入ってやっとホッとする。
途中の道で私同様かなりお疲れの男性がいて、温泉でいっしょになったので、どこから下りてきたのか聞くと、雲ノ平からとのことで感心するやら驚くやら。夜星の瞬きを見ながら途中水晶、鷲羽の頂上も踏んできたと聞いてさらにびっくり。「すごいですね」というと「いや、バカなことをしているだけ」とおっしゃる。東京の方なのでそうおっしゃるが、ここはやっぱり「アホなこと」の方が似合いそうだ。それにしても山にはいろいろな豪傑がいるものだ。
高山駅に着いて弁当を調達して最終の特急ひだに乗る。今ならなんでもおいしい。
名古屋で新幹線に乗り継ぎ日付が変わる前に神戸に着く。4時半から歩き始めて実働19時間余り。1日家でゴロゴロしていても1日は1日。それに比べればなんとも中身の濃い1日だった。
登山者との出会い、可憐な花々、素晴らしい眺め、事故もなく歩き通せたこと、すべてに感謝。