ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

水晶から新穂高温泉へ

2016年08月06日 | 山旅

予定ではこのあと雲ノ平へ行く予定だったがそうなるともう山中でもう1泊しないといけない。1年で一番山が賑わう時期なので昨日は布団1枚に2名だったが、この土日は布団1枚に3人になりそうだ。やはりそれは避けたいので今日中に下山することにする。

現在いるところは北アルプスでも深いところなのでどちらに下りるにしても時間がかかりそうだが、新穂高へならがんばればなんとか歩けそうなので0430時、水晶小屋を出発。

まず岩苔乗越まで下りて黒部源流から三俣蓮華岳へ登る。できれば鷲羽岳を踏みたかったが、時間短縮のため省略。三俣蓮華と次の双六岳も巻き道があるが、ここはがんばって上の稜線を歩くことにする。

三俣蓮華から鷲羽岳。山の斜面が鷲が羽根を広げたように見えるんだけど。

 

水晶・鷲羽

 

 今回も雷鳥と出会えた

 

双六への稜線と右に笠ヶ岳

 

振り返って水晶・鷲羽岳

 

槍から穂高への稜線

 

0850時双六岳頂上着。バックは黒部五郎・薬師岳

 

黒部五郎をアップで。今年はカールの雪も少ない

 

薬師岳アップ

 

双六の広々した山腹から槍へ一直線

 

槍の左稜線は北鎌尾根、手前の稜線は西鎌尾根

 

頂上で20分ほど眺めを堪能し双六小屋へ下りる。ここでうどんを食べてエネルギーを補給。弓折岳方面へ登り返す。

キレットを下にたどれば鏡平小屋が

 

槍ヶ岳はやっぱり立派だ

 

鏡平小屋の前は上る人、下る人で大賑わい。かき氷があったのでそれを食べて体を冷やす。空いていれば泊まりたかったのだが今日はそれどころではなさそうなので先へ進む。

条件がいいと鏡池には槍、穂高の稜線が映り込み逆さ槍穂が見られるのだが、今日は周囲の木しか見えない

 

熊のおどり場通過。本当に踊っていたら怖い!

 

さすがに登ってくる人が多い。登り優先の原則で道を譲ることが多く、余分な時間がかかるのがもどかしい。

こんな看板が出ているが他に通れるところがあるわけじゃなし

 

たしかに今の自分のようにヨレヨレの橋

 

1445時、わさび平小屋まで下りてくる。ここでラムネを1本。あとは1時間ほど緩やかな林道を下っていくだけなのだが、これが果てしなく長く感じられる。1時間や2時間は日常の散歩の範疇なのだが・・・。それでもなんとか1600時前に新穂高のバスターミナルに着く。最終の高山駅行きのバスの時間まで1時間ほどあるので温泉に入ってやっとホッとする。

途中の道で私同様かなりお疲れの男性がいて、温泉でいっしょになったので、どこから下りてきたのか聞くと、雲ノ平からとのことで感心するやら驚くやら。夜星の瞬きを見ながら途中水晶、鷲羽の頂上も踏んできたと聞いてさらにびっくり。「すごいですね」というと「いや、バカなことをしているだけ」とおっしゃる。東京の方なのでそうおっしゃるが、ここはやっぱり「アホなこと」の方が似合いそうだ。それにしても山にはいろいろな豪傑がいるものだ。

高山駅に着いて弁当を調達して最終の特急ひだに乗る。今ならなんでもおいしい。

 

 名古屋で新幹線に乗り継ぎ日付が変わる前に神戸に着く。4時半から歩き始めて実働19時間余り。1日家でゴロゴロしていても1日は1日。それに比べればなんとも中身の濃い1日だった。

登山者との出会い、可憐な花々、素晴らしい眺め、事故もなく歩き通せたこと、すべてに感謝。

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烏帽子から水晶へ

2016年08月05日 | 山旅

昨日はガスって見えにくかった赤牛岳ののっぺりとした稜線が朝日に染まって見える。

 

今日は野口五郎、水晶岳を経て、できれば雲ノ平まで行きたい。0510時出発。気持ちのいい稜線歩きである。

振り向けば雲の上に烏帽子がニョッキリ。バックは立山

 

赤牛稜線

 

海に浮かぶ島のような烏帽子、立山連峰

 

この辺り、コマクサがよく咲いている

 

幾重にも連なる山並み

 

ミヤマダイコンソウ

 

いくつかの小さなピークを経て野口五郎岳が見えてきた。遠くには槍ヶ岳

 

3時間20分で野口五郎到着。頂上には誰もいない。標高は2924Mと十分だが丸みを帯びた形からはそれほどの高山とは思えない。

バックは水晶岳

 

鷲羽岳から水晶岳の稜線

 

鷲羽をアップで。ここから見てもなかなか立派

 

ここまで来ればあとは楽勝と思いきや、水晶までが意外に遠く感じられる。

岩場にはなんだか危なそうなロープが。こういうときは岩をしっかりつかんだ方が無難

 

ウサギギク

 

タカネマツムシソウ

 

イワギキョウ

 

ハクサンフウロ

 

黄色いのはミヤマタンポポか

 

東沢乗越から水晶小屋への南側が荒れて切れている稜線を登っていく

 

1140時水晶小屋到着。今日はどの小屋も布団1枚に2人は覚悟しないといけない。ここから雲ノ平まではあと3時間弱、雲ノ平の小屋も混んでいるそうなので水晶小屋泊まりにすることに。

小屋から水晶岳(2986M)へ往復。あいにくのガスで頂上からの眺望はなし。

 

泊まると決めてしまえば今日も休む時間はたっぷり。お茶など沸かしてまったりしたいのだが自炊コーナーはすでにグループでいっぱい。外のベンチも空きなし。やむなく軒下に座ってお茶を飲む。

水晶小屋は以前はもっと小さな小屋で、寝るのも食事をするのも同じ一間だったが、今は一応食事室、屋根裏部屋もできているので多少広くなってはいる。しかし8月の最初の金曜日はやはり宿泊者が多く、外はガスって日差しがないので寒いくらいだが室内は人の熱気でムンムンしている。

小屋の夕食はカレーのようだが、私は乾燥飯と乾燥ビーフシチューを戻して食す。

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ブナ立尾根から烏帽子岳

2016年08月04日 | 山旅

甲信越地方の梅雨は明けたことになっているのだが、山では午後に強い雨が降ったりしていまひとつお天気が安定しない。昨年八が岳に出かけたときは勇み足だったため雨に降られ散々だったので今年は慎重に見極め、そろそろかと出かけることにした。

今年は裏銀座コースの縦走。まず烏帽子岳へ登るため前日は七倉山荘に前泊。以前七倉尾根を下ったときに通ったことはあるが、今では建て替わりすっかりきれいになっている。夕食はテラスでバーベキュー、朝も充実の朝食を食べて、0530時の乗合バスで高瀬ダムに向かう。

 

ダムから濁沢にかかる橋を渡って登山口へ

 

0600時登山口を出発。登山口には「12」という看板が立っていてここからひとつずつ数が減っていく。ブナ立尾根は日本3大急登のひとつといわれ、たしかに急登が続くが登山道はよく整備されており歩きづらくはない。個人的にはだらだら登りよりは急登の方が好きなので順調に高度を上げて行く。

誰が名付けたか、タヌキ岩

 

いい感じの木

 

ゴゼンタチバナ、イワギキョウ、イワオトギリ

 

いつ見ても妖艶なクルマユリ

 

思ったより早く1010時烏帽子小屋に着く。10分ほど休み、身軽で烏帽子岳に向かう。始めはガスっていて見えなかったが次第にガスが消え烏帽子の美しい山容が見えてくる

 

 きれいな白い砂礫地のアプローチは燕岳の辺りと似ている。烏帽子岳と名の付く山は全国各地にある。高さでは塩見岳近くのそれに負けているが、美しさではこの烏帽子岳がいちばんではないだろうか

頂上直下は岩場のトラバースなどもあり高度感たっぷり

 

ロープを上りきったところが頂上(2628M)。この辺り、烏帽子岳というより烏帽子岩に近い気もする

 

下りは慎重に

 

振り返ってもう一度

 

1時間半ほどで小屋まで戻る。今日の予定はこの烏帽子小屋泊まりなのだが、まだ時間は12時前。この先3時間半ほどの野口五郎小屋まで行けそうだが、散々迷った結果予定通り今日はここまでとする。

最近はきれいに建て替わる小屋も多いなかここは昔の雰囲気のまま

 

小屋で受付を済ませ、時間はたっぷりあるので昼食をとる。今回は自炊予定で食料は十分持ってきたので胃袋に移動させて荷物を減らす。

登山口でいっしょになったテント泊まりの若い女の子は一人でのテント泊は初めてということで、人恋しいのかいろいろ語ってくれる。最近は女の子でもテントを背負う子が増えた。私はさすがにもうテントでの縦走はしんどくなって最近は下の方で張って頂上への往復しかしていないので、うらやましいやらたのもしいやら。

さらにはこんな人も

 

テント泊の若い男性2人組は日本酒の一升瓶、ウィスキーなど持参。いろいろ楽しい話をしてくれた。そんなに飲んで翌朝堪えないかと聞くと「全然」とのこと。若いと肝臓の働きもいいのだろうか、それにしても山のいろいろな楽しみ方があるものだ。

山では、普段は話をすることもないようないろいろな人と出会える。文字通りの一期一会の貴重な時間を楽しんで過ごす。

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