のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

コープス・ブライド

2005年11月06日 23時04分47秒 | 映画鑑賞
■ストーリー
 19世紀のヨーロッパ。小さな村で、ある結婚式が迫っていた。
 新郎はビクター。成金夫婦の気弱な一人息子だ。新婦のビクトリアは、
 落ちぶれた貴族の娘。つまり、この結婚は政略結婚。
 だが、若いふたりは出会った途端、互いに好意を抱く。しかし、
 内気なビクターは結婚の誓いをうまく言えず、暗い森で練習するうちに
 ひょんなことから、死体の花嫁=コープス ブライドの指に誓いの言葉と
 ともに指輪をはめてしまう。

■感想 ☆☆☆☆
 クレイアニメということで、作り手の相当な手間と
 それ以上に大きな作品への愛情が伝わってくる作品。
 「かわいらしい」というには抵抗があるものの、魅力的で
 見れば見るほど愛着がわいてくる登場人物たち。
 温かみが伝わってくる映像とのりやすくかっこいい音楽。
 見ているだけで楽しくなってくるミュージカル映画だ。

 親の言うがままに過ごしてきたビクターとビクトリアが
 お互いのために発揮する今までにない行動力も
 コープス・ブライドエミリーがビクターのためにする選択も
 「愛する人のため」で「自分のため」ではないところに
 共感を覚えた。

 ビクトリアを愛していながら、さびしそうなエミリーを
 ほうっておけないビクターの優柔不断な優しさ。
 自分ではない人を愛しているビクターが
 同情で自分を選んでくれたことに気づきながらも
 幸せを求めてしまうエミリーの健気さ。
 エミリーとビクターの結婚式に遭遇してしまい
 ショックを受けながらも、騒いでぶち壊しにすることなく
 つい耐えてしまうビクトリアの忍耐強さ。

 誰も悪い人なんていない三角関係のラストは
 誰かを悪者にできないために
 決してハッピーエンドとは言えない。
 やりきれない思いも残る。
 それでも、きれいな心が集まったからこその
 美しさあふれるエンディングだった。