太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

日本語の国に生まれたしあわせ

2019-03-01 08:29:06 | 英語とか日本語の話
かんぬき、という漢字を知っている人はどのぐらいいるだろう。

かんぬきは、昔の日本のお城の門を閉じたあと、真横に渡して開かないようにする角材のこと。

時代ものの本を読んでいて、初めてかんぬきの漢字を知った。






その、あまりのわかりやすさに感動すらする。

門に、横に渡した角材、そのまんま。



漢字は、象形文字であるとともに、漢字そのものがもつエネルギーがあるのだという。

私はそれを知ったときに、夫を使って試してみたことがあった。

漢字を書いた紙を何枚か見せて、その文字からどんなイメージが浮かぶか聞いてみた。

結果、不思議なことに、その漢字がもつ意味の雰囲気の、良い感じ、悪い感じは完璧にわかる。

たとえば、

夫の感想は、嫌な感じ、おさえつけられるような感じ。

「罪」に関しては、「牢屋?」と言った。

確かに牢屋に見えるかも。

たとえば、

なんとなく、きれいだと言った。

「喜」は、箱を明けたらわくわくしたものが飛び出してきた感じ。



まだまだ私の知らない漢字がたくさんあって、多くの漢字を知らないまま殆どの人は死ぬのだというと

英語圏の人は驚く。

読めるけれど書けない漢字も年々増えて、私が読めて書ける漢字は、いったいどれほどの数なのだろう。

知らない言葉がまだまだあるという希望。

人生を折り返しても、かんぬきのように、知らなかった漢字を知る喜び。

25文字のアルファベットだけですべてが事足りる英語圏の人にはわからんだろうなあ。



夫の叔母は海洋学者で、この夏、3ヶ月ほど日本の船に乗って仕事をする。

以前、私が子供に日本語を教えていたときに使った、手作りの教材を叔母に貸し、

それ以外にもネットを使って毎日日本語の勉強している。

助詞の「てにをは」が難しいのは英語と同じ。

オノマトペ(ザーザー、といった擬態語)にも苦戦している。

英語には必ず「YOU」とか「THEY」が入るけど、日本語にはほとんどいらない、というのも不思議。

そして昨日会った時、夫が、

「相手によって話し方を変えるんだよ」

と言った。

「目上の人に、ってことでしょう?2種類あるわけね」

そこで私が

「相手を立てて丁寧に言う言い方と、自分を下げて相手を上げる言い方があって

その両方を混ぜて使うんだよ。上司と友達はむろん、家族と同僚でも微妙に使い分けるんだよ」

「え・・・・・・」

「そこまで覚えなくたっていいけどね。無理だし」

「自分を下げるとか、相手を上げるとか、どんなふうに?」

「たとえば、行く、は自分を下げると 参る・伺う になるし、相手を上げると いらっしゃる になって

食べる、は自分を下げると いただく になって、相手を上げるなら 召し上がる になるんだよ」

叔母はそのままテーブルに突っ伏した。



改めて、日本語って複雑で難しい言語だと思う。

そんな難しい言語を自由自在に使える私って、そうとうすごい。

日本を離れて暮らして気づくことのうち、99%は日本を誇りに思うことばかりである。
















にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村