太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

観戦

2019-03-15 08:01:20 | 日記
テレビで日本の相撲をやっていた。

相撲は昔からよくわからない。

力士の名前も、HAKUHOといっても漢字がわからないのでピンとこない。

日本にいたとき、誰かが横綱になったスポーツニュースをみていて、

「この顔、これこそが日本人!という顔だよね。やっと日本から日本らしい横綱出たね」

と私が言うと、夫が

「このひと、モンゴル人だよ」

と言った。

ガイジンでも知っていることを知らない、私の知識はその程度。

それでも相撲中継をたまにみるのは、力士を見ているわけではないのだ。

私が見ているのは、土俵の外で見ている観客だ。

カメラが取り組みを映す、その向こうでそれを見ている人々を観察するのがおもしろい。

いろんな人がいる。

携帯電話を掲げて写真を撮ろうとしている人、その後ろで迷惑そうに顔をしかめている人。

力士が投げられると、目を見開いて追うオジサン。

その瞬間をスローモーションでやると、そのオジサンの顔もスローモーションになり、

その横にいる奥さん風の人も、口をまあるく開けている。

ネクタイをしめてスーツを着ている人、和服の人、舞妓さんもいる。

女の人がバッグから何かを出そうとしている。

次にカメラがそこにまわったときには、その出したものを両隣の人に勧めている。

あれは飴か何かだろう。

誰も拍手していないのに、一人で手を叩いているオジサンもいる。

ここぞ、という大事な瞬間に、トイレに立つ人がいる。

その人が立ち上がって通路を歩くので取り組みが見えず、後ろの席の人達が首をぐらぐらさせている。

みーんな顔が違う。

眉に目と鼻と口という、同じパーツで、それってスゴイことだと思う。

似ている目でも、ちょっと距離を離して、鼻を少し広げたら別の顔。

頬骨を高くして、目と眉の間を広げたら、また別の顔。

誰が決めたか知らないが、ひとりひとりの顔を違う形に設計するのは大変なことだ。





こんな変なことをしているのは、私ぐらいだろうが、実におもしろい。

観客に、不幸せそうな顔の人は、まずいない。

相撲が好きだからチケットを買って来ているのだろうし、非日常にあることの高揚感もある。

リラックスしている人たちを見ているのは楽しい。

観察している私にけして悪意はない。それは本当だけれど、

知らない誰かに、目と目が離れているだのなんだのと言われるのは大きなお世話であるのは確かで

私はテレビ中継しているものを見に行かないことにしているのである。





















にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村