太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

2019-03-28 02:37:28 | ハワイの自然
ハワイに住むようになって、変わったことのひとつに、
雨はきれいだと思うようになったことがある。
日本にいたときには、雨の日は歩くと盛大に足に泥がはねるし、
道は混むし、電車やバスの中は湿気と人いきれのすえたような匂いがするし、
傘をさすのも持ち歩くのも面倒で、雨がきれいだなんて思ったことはなかった。

 
ハワイには電車はないし、私はバスに乗ることもないが、ハワイのバスは真冬のように冷房が効いているから、すえたようなあの匂いはしないのではないか。

ハワイの雨は、ほんとうにきれいだ。
水平線の上を、雨のかたまりがゆっくりと移動してゆく。
山の端から、雨のかたまりがこちらに向かって流れてくる。
雨が降ると、虹が出る。
その虹も、ゆっくりと流れてゆく。
早朝、外に出ると夜に降った雨のかおりがする。
まだなにも動き出していない、静かな時間は、大気の下のほうにみずみずしい香りが沈殿している。
土と、木と、夜露の匂い。
胸いっぱいに吸い込むと、からだじゅうが清浄になったような気がする。

雨にぬれぬれと光る葉も、雨の中を飛ぶ鳥も、
しみじみ、きれいだナァーと思う。