太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

爆弾は突然投げられる

2021-04-13 08:01:43 | 日記
それは昨日の午前中だった。
休憩時に携帯電話を見たら、未登録の番号の着信があった。
留守電が入っていたので聞いてみたら・・・

「ハーイ、〇〇(夫の名前)!Aのタバサよ。お探しの職種がいくつかあったので、折り返してもらえるかしら?」

Aというのは、仕事を斡旋・派遣する会社で、今の仕事もそこで決めた。

一気に気分は急降下。
すごくハッピーに働いてるとは思わないけど、このまま続きそうでよかったなと思っていた矢先のことだった。
恐れていたことが起こった。
いや、恐れていたから、起こったのか。
どちらにしろ、もう起きているのだからどうでもいい。

ボイスメールの件を夫にテキストして、
午後の休憩時に夫と電話で話をしたが、何もそのことには触れなかったので
私も聞かなかった。聞くのがこわかった。


帰宅すると、
「今度はこの近所で、収入はほぼ同じだよ」
と言う。
辞めることにした、も、辞めようと思う、もすっ飛ばして。
仕事を辞めることを私がとても嫌うから、言えなかったのかもしれない。
それを聞いた私が言ったのは、
「ふーん、そうなの」
なぜ私の番号に留守電が入っていたのかは、大きな謎。
だけど、それのおかげで覚悟ができたとはいえる。
『収入がほぼ同じ』という点で、それならまあいいか、と思えたのも確か。


私がどんなに嫌がっても、泣き落としも通用しないのだから
導火線が1センチぐらいしかない爆弾を、ホイっと投げられたようなもので
怖がったりしている暇がないのはよかったかも。
「つべこべ悩む時間がなかったのは、ラッキーかもよ」
友人は、そう言った。
「だけど、大黒柱の転職がショックじゃないわけがない」
同じ友人は、そうも言った。
そうさ、私が夫の転職のたびにビクビクするのは当然のことだ、うん。


職を転々とする、という言葉が日本にはある。
ひとつの仕事を長く続けることに価値がある、と私も教え込まれて生きてきた。
そうやって代々刷り込まれ続けてきたものは、骨の髄までしみ込んでいて、それから自由になるのは一筋縄ではいかない。

繰り返される転職に、私もそれなりには慣れてきたと思うけど、
それは達観というよりは、諦めに近い。
夫だって、一つの仕事を長く続けたいと思って生きているはずで、
けれど、「自分の心地よさ」と「世間の評価」を秤にかけたとき、
「自分の心地よさ」を取るから、こうなる。
それをしないでいると、いつかみたいに「ウツ」になる。


投げられた導火線1センチの爆弾は、ボッコ!と情けないような音で破裂して足元に散らばった。