太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ソバージュとらばーゆハウスマヌカン

2021-04-20 12:32:02 | 日記
このタイトル、1980年代以降に生まれた人たちにはさっぱーーりわからんだろうね。

背中の真ん中まで伸ばしていた髪を、鎖骨のあたりで切ったのは11月だった。
それまでもエアウェーブというパーマを定期的にかけていたのだけれど、
それまでのスタイリストが転勤して、別の人にやってもらったら、かなり高い位置にレイヤーを入れてくれたので、
おもいがけずフワフワの仕上がりになって、職場でも、いろんな人に褒められるし、自分でもとても気に入っている。

白人のきれいな女性に「あなたの髪はどこで切ったの?」と聞かれ、
サロンの場所やスタイリストの名前を紙に書いたのを大事に財布にしまうと
「今日、さっそく予約をとるわ!」と言われて調子にのっている。

とにかく、その髪型を日本にいる友人に説明しようとして出てきた言葉が

ソバージュ

だったというわけなのだ。
70年代にフランスで発表されて、日本でも流行りに流行った。
語源は、サベージ(野性的な)からきていると思う。
本来は、片手のひらに収まるような小顔の人が、ボリュームたっぷりなソバージュにするのだけど、
大顔平顔の日本人も、モデルの顔に自分の顔をむりやり乗せて、ちりちりふわふわにしたものだ。
流行なんか、みんなでやったら怖くない。

ソバージュなんて何十年ぶりかで聞いたよ!」

という友人の言葉を皮切りに、

ソバージュにしてハウスマヌカンとかさぁ」

「ハウスマヌカン!!!!!」

ここで注釈が必要だろう。
ハウスマヌカンとは、ようするに主にブティックの店員、売り子のことだ。
「青山でハウスマヌカンやってますぅ」というインタビューが、
雑誌「アン・アン」なんかで取り上げられていた。

余談だが、道行く一般人にインタビューという記事、あれは絶対にヤラセだという人が言う。
テレビの場合、だいたいヤラセだろうが、雑誌はそうともいえないと思う。
なぜなら、私が高校1年の頃、新静岡センターという名前からして田舎的なデパートで、
これはいい!と一目ぼれしたワンピースがあった。
粘りに粘って母にねだって買ってもらった私は、それを着て東京に出かけた。
東京の雑踏の中を歩く私の姿がファッション雑誌に掲載されたのがわかったのは、
姉の友人が教えてくれたからだ。
「えー!どんな特集で?」
「ファッションチェックの」
「やだー、全然気づかなかったよぅ」
照れ半分、得意半分の私に、姉の友人は言った。

「それが、NGファッションチェックだったのよ・・・・」

もちろん私はその雑誌を確認していない。
本人の了承もなく記事にするなんて、あんまりだ。
せめてモザイクするとかいった配慮ぐらいあってもいいと思う。
東京の人込みで、暑さと疲れにボロボロになった私が映っていたのだろう。
という、しょっぱい思い出。



さて本題に戻る。

とらばーゆしたんだってー、とか普通に言ってたよねー」

とらばーゆとは、要するに転職のこと。
1980年にリクルート情報出版から発行された、女性向けの転職情報誌の名前である。
今でもその雑誌はあるのかもしれないが、もう転職のことをとらばーゆするとはだれも言わないだろう。

ソバージュから、しょっぱい話まで、ひとしきり思い出話で盛り上がった。
若い頃の話になると、不思議なほどよく覚えていることが多くて話が尽きないのは、年を取った証拠である。