イースターの日に起きた、シュートメのへそ曲げ事件。(シュートメ、へそを曲げる)
その後日談。(曲げたへその行方)
夫はシュートメに謝り、花束を贈り、固くハグをして、それで解決だと思っていたが、とんでもなかった。
イースター以来、今も夫は義両親と距離をおいている。
義両親は必死に歩み寄ってくるが、夫はにべもない。
今朝、夫が出かけてからシュートメがやってきて
「チリビーンズを作ったから、あなたたち、もしよかったら・・・」
と言った。
昼間、夫と電話で話したときに、そのことを言うと、
「ふーん、食べないよ」の一言。
夕方、帰宅した夫がシャワーを浴びている間に再びシュートメが来た。
「夕食は、どっちでとるかなあと思って」
私は答えはわかっていたが、その場で断るのもアレだし、聞いて来るといって2階に行った。
当然、夫は「NO」。
走って戻って、「こっちで今日は済ませるみたい」とできるだけ和やかに言った。
レモンをもらいに義両親の冷蔵庫をあけたとき、大量のチリビーンズがあるのを見た私は、
夫が好きなのを知っていて、一緒に食べたくて作ったシュートメの気持ちを思って切なくなった。
だから断ったあと、義両親の家に行って、
「チリビーンズをお弁当用に少し分けてもらっていい?あなたのチリは1番だから」
と言うと、シュートメはとても嬉しそうな顔をした。
シュートメの気持ちを汲んであげたかったし、実際彼女のチリは美味しい。
まったく、なんで私が女優にならにゃならんのだ!!!
「義両親はいつまでも元気でいるわけじゃないんだよ」
私は再び、夫に言ってみる。
「わかってる」
親子のことは親子じゃないとわからないから、私は介入する気はないけど
夫の気持ちもわかるが、ここはこっちが譲歩しておけば丸くおさまるのにと思う。
両親と同居していた姉が言う。
「よそのご老人だったらなんとも思わないことも、自分の親だと見逃せないというか、許せない気持ちが湧いてきて、きつく当たったりして自己嫌悪になるよ」
親子だから、許せる。
親子だから許したくない。
親子だから、意地を張れる。
親子だから、感情をそのままぶつけられる。
親子だから、嫌いと言えるほどに甘えている。
別々に食事をするのが、平和的に定着すれば、それはそれでいいと思う。
元々は、同じ屋根の下に住むことが耐えられなくなったシュートメの鶴の一声で
我が家を建て増しすることになったのだから。
今朝もシュートメが
「今夜、まだチリがたくさんあるわよ」と言う。
「昨日いただいたのを食べたけど、美味しかったよ、ありがとう」
答えになってはいないが、笑顔で言う。
なーんにも気づいてない、考えてないアホの笑顔で貫く中間管理職の身にもあってみろ、ってんだ。