太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

紙かプラスティックか

2017-09-19 19:20:33 | 日記
職場には、毎日多くの中国人の旅行者が来る。

英語をまったく理解しない人がほとんどなので、意思疎通は困難を極める。

中国語しか話せないから仕方がないんだけど、どんどん中国語で話しかけてくるのも困る。

でも、英語がわからずこちらを見ている中国人に、ふと昔の自分が重なることがある。




20年前、アイオワ州に知人を訪ねたことがあった。

スーパーマーケットで買い物をし、レジのところで店員が私に何か言った。

「X□※△?」

わからないので、聞き返すと、また同じことを言う。

3回ぐらい聞き返してもわからないので、適当に

「イエース」

と言った。

店員は困惑した顔になり、また同じことを聞く。

100回言ってくれてもわからないものはわからない。

私は理解しようとするのをやめ、

「オウ、イエース!」

と笑顔で答え続け、ついに店員も諦めた。

あとになって、店員が言っていたのは

「PAPER OR PLASTICK?」

つまり、買った品物を入れるのは紙袋がビニールかと言うことであった。

そこはアイオワでも田舎の田舎で、日本人どころかアジア人すら滅多に見かけないような場所だ。

「今日おかしなアジア人が来てさ、参っちゃったよ」

と話の種になったに違いない。

そんな程度の私が、それから10年後にガイジンと結婚し、外国に住んでいるのだから人生はおもしろい(てか恐ろしい)。








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いいひと

2017-09-18 07:48:10 | 日記
不特定多数の人を相手にする販売という仕事に、ハワイに住むようになって初めて就いた。

オフィスでの仕事も、それなりにいろんな人に遭遇するが販売の比ではない。

今の職場はお客のほとんどが旅行客で、おおむね人々の心はハッピーなので、

ほとんどが地元客だった本屋時代よりは遥かにストレスは少ないのだけれど、

それでも毎日いろんなことは起きてくる。


販売の仕事に限ったことではないが、

日頃の鬱憤を同じ形でどこかで晴らしたい、という黒い思いが沸いてくることがある。

たとえば、電話で言いたい放題の文句を言ってみたいとか、

手に取った商品を、気が変わったのでまったく離れた別の場所に置き去りにしたくなるとか、

横柄な態度をとってみたいとかいった些細なことである。

そういう人たちの相手を「仕事、仕事」と念じつつこなしていると、こんなことができたら

さぞすっきりするだろうなァ、と想像する。



しかし、同じことを私はできないし、たとえしたとしても、けしてすっきりはしないことも知っている。

むしろ、この仕事をするようになってから、お客としての私は以前より低姿勢なぐらいだ。

小学校でも、職場でも、嫌な仕打ちをする相手に対して

「それと同じことを仕返せばいい、人がどんな思いをするか本人は知らないのだから」

と言う人がいる。

実際、同じことを仕返したこともたびたびあったけれど、そういうことをしたという嫌な気持ちだけが残り

なんの解決にもならなかった。

それは自分が良い人でいたい、というのは少し違う。

私はそんなことをするような人間ではない、という、そういうことをする人を見下すような気持ちがある。

この心理には覚えがある。

挨拶をしても無視する人に対して、わざと顔を近づけてでも再度挨拶するのは、挨拶しないことを見下しているからだ。

前の夫に対し、家事も完璧、仕事も忙しがって、常に相手をたて、どんなことがあっても怒らなかったのは、

こんなことができるのは私だけ、という変な誇りの陰に、相手を見下す気持ちがあったと思う。

ずーっとあとになって気づいた。

私はけっこう嫌なやつだ。

今はそれでも、少しは人間が練れて、挨拶をしたくない人の、したくないという気持ちを尊重できるようになったし、

自分の中にある、黒い気持ちに気づいても、それを認めて許すこともできるようになった。

父の会社で、背負いきれない荷物を背負ってあえいでいたときに母が言った、

「あんたはあんたが思うほどいい子じゃないから大丈夫だよ」

まさにそれである。



昨日、ドラッグストアに買い物に行った。

ペーパータオルの棚に、ポップコーンが置き去りにされている。

コーヒーの棚に、チルドにあるべきウィンナーが置き去りにされている。

ポップコーンは店員に渡し、ウィンナーはチルドに戻した。

レジの人が研修中で、操作にとまどって焦っていた。

「急いでないから大丈夫、おちついてやればいいよ」

私が新人のころ、そういう人に救われたことがある。

黒いのもそうでないのも、両方自分。


たとえどんなに嫌な人にみえても、「嫌な人になりたい」と思って生きている人はいないのではないかと思う。

常に良い人ではいられないだけで、

または良い人の基準に開きがあるだけで、

みんな自分をいいひとだと信じて生きているのではないだろうか。








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ユニコーンとハラキリ

2017-09-16 20:20:55 | 英語とか日本語の話
職場にみえた白人男性のお客様が、ちょっと粋なTシャツを着ていた。

白地に「藝」という字が大きくはねている。

「すてきなTシャツですね、どこで買ったんですか」

「ああ、これ? ユニコーン だよ。ニューヨークの」

「ユニコーン?」

すると連れの男性が

「そうそう、このTシャツもユニコーン」

と言って、胸をはってみせた。

それも白いTシャツで、胸ポケットの部分だけに幾何学模様がプリントされている。

「僕ら、ユニコーンが大好きなんだ。これなんかいろんなデザイナーの期間限定作品なんだよ」

「しかもそんなに高くない、むしろ他より安いんだ」

デザイナーの期間限定作品なんて、ユニクロみたいだな、と思って「ハタ!」と気づいた。


「もしかして ユニクロ?」


「そう、ユニコーン」

「ユニクロなら日本にいっぱいありますよ」

「えっ ユニコーンって日本にもあるの!!」

ええ、そりゃ日本の会社ですから・・・・

ユニクロは、アメリカ人にかかるとユニコーンになるわけか。

私の夫は、ユニクロ、と発音できるので、まさかそうなるとは知らなかった。

まあ、私の英語耳が悪いんだけど。

不思議なのは、私が「ユニコーン」と言っても「ユニクロ」と言っても通じるってとこ。



そういえば、本屋で働いていた時、白人の親子連れがやってきて私に聞いた。

「ここにあったハラキリコーナーはもうなくなったの?」

「ハラキリッ???」

思わず聞き返した。

「そうよ、ハラキリ。この子、ハラキリが大好きなのよ。ねえ」

と言うと、7歳ぐらいの娘が

「あたしハラキリだーいすき」

と言った。

この店にそんな恐ろしいコーナーがあったことはない。

子供が好きな、ハラキリ、ハラキリ、ハラキリ・・・・・

ハッ、待てよ、これはもしかしたら  HELLO KITTYかッ!

最近まで、本屋の隣にサンリオがあったのを思い出した。

やっぱり不思議なのは、「ハラキリ」と聞き返しても「ハローキティ」になること。

これじゃあまるであの、「食った芋いじるな=What time is it now?」みたいじゃないか。

まあ、そもそも私の英語耳が悪いだけなんだけども。









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衝撃の大事実

2017-09-14 07:39:43 | 日記
日本の運転免許証の更新がいつだったか、ふと不安になった。

数年前に日本に行って書き換えてきたが、1年が半年ぐらいに感じる今日このごろである。

思いついたときに確認しておこうと、免許証を取り出してみた。

平成31年の誕生日までと書いてある。

と言われても、今年が平成何年なのか皆目わからない。

どうして西暦も書いておいてくれないんだろうか。

姉にメールで聞いてみた。

「今、平成何年?」

すぐに返信がきた。

「29年です。平成元年に生まれた子供が30だよ、早いね」

そうか、今年はもう平成29年なのか。

故・小渕官房長官が『平成』と書かれた紙を掲げたのが、もう29年前。

昭和最後の日の夜、私の職場に友人が3人集まって、さよなら昭和とかいって騒いだっけなあ。

それでその勢いで静岡駅まで行って、昭和最後の日付の入った入場券を買ったんだった。

平成31年の誕生日ということは、私は1月2日生まれだから、今度の、そのまた次の年が明けたら

日本に行って書き換えするということだ。

そんな話を、日本に住む友人に話したら、


「平成は30年で終わって、新しい元号になるって知ってた?」


ええええええーーーーッッッッ!!なにィーーーー!!

知らなかった・・・



昨年まで東京オリンピックも知らなかった人間が、知る由もないのではあるが、

ああ、それにしても驚いた。

教えてくれてよかった。

平成が過ぎても尚、「今年って平成何年だっけ?」などと聞いてしまうところであった。

姉が、何も知らなさすぎる私を見かねて不定期に送ってくれる日本のニュースにも、

そんなことは書かれてなかった。



新しい元号は何になるんだろう。

バーッと斬新なのにしてもいいんじゃないか。

『しあわせ元年』とかさ。

『よろこび元年』とかさ。


昔、静岡市の隣の清水市が静岡市に合併されるとき、新しい区の名前を一般募集した。

私は張り切って送った。

『次郎長区』

清水といえば、清水次郎長だ。

自信作だったのに、まわりからは笑われておしまいだった。

「ぶはは!市役所でも、これを見て ぷっ とか言ってクシャクシャポイ、だろうねー」

このセンスがわからんとは情けない。







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日本語の勉強

2017-09-13 07:46:36 | 英語とか日本語の話
10月に日本に行くことになった。

夫がとれる有給休暇はまだ限られている。春ごろにカナダにも行きたいと思っていて、

そのために休暇の半分を残しておかねばならない。

だから1週間ほどしか日本に滞在できなくなるのだけれど、いたしかたない。


チケットが取れたとたん、夫は本棚から日本語のテキストを引っ張り出して

日本語の勉強を始めた。

私の両親は日本語しかわからないし、日本で「日本語が上手」と人に褒められたい。

ソファに座りながら、声を出して本を読むのだが、いきなり


「カレサンスイ(枯山水)!」


それって、たぶん絶対に使う場面はないと思うが。




「ジョーンズ サン、オサケ ハ スキデスカ」

「ハイ、トテモ スキ デス」

「ソレデハ オサケ ヲ ノミマショウ」



ジョーンズさんって誰よ・・

まあ、私もこういう感じの、あまり役に立たない英語を勉強してきたんだから笑えないけども。



「ヤキトリ ヲ 10ホン クダサイ」

「ポンだよ。10はポン」

「え?なんで」

「理由はないの。10はポン。10ポン。でもガイジンだから10ホンでもいいよ」

「ヤキトリ ヲ 10ポン クダサイ!」




夫にとっては2年ぶりの日本。

あこがれの居酒屋でししゃもとヤキトリを食べるのが夢。

気合が入っている。



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