醤油醸造元の営業さんが集金に来られて言う話しでは、外食を控えて家庭で食事をする人が増えたので味噌の消費量が増えているそうです。それって外食産業よりも家庭料理のほうが味噌を使う割合が多いってことですかね?突っ込んで聞いたんですが明確な答えはいただけませんでした。ちなみに醤油の消費量は横這いだとのことで。
ご存知の方も多いとは思いますが、醤油の規格には「特級」「上級」「標準」がありまして、その営業さんのいる会社は特級醤油が主力商品。(規格の違いをここで解説するとややこしくなるので省略いたします。) もちろん嗜好品ですから、どの規格のものが良いかは使う人ごとに違うでしょう。そのへんは清酒やワイン、その他規格がある様々なものと一緒ですな。
「うちはこれ(主力商品)を造ってて良かったですわ。」営業さんが心底そう思うという表情で言います。それほど大きくない醸造元ですから、「標準」タイプを主力にしていたら大手メーカーさんとの価格競争に巻き込まれて今ごろどうなっていたか分からないと。
「特級」「上級」「標準」…それぞれの良さがあるはずですよね。「標準」があるから「特級」があるわけですし、その逆もまた然り。お互いが領分をわきまえて認め合っていれば上手くいくように思います。清酒業界では大手メーカーさんを悪く言う人も少なくありませんが、今ほどの醸造技術や流通が発達していなかった時代に、一日の労働を終えてヘトヘトになって帰宅するオヤジさんたちを癒してくれたのは、当時としては安定した品質の「大手の酒」が多かったんですから、そこは敬意を表さなければいけませんな。
「でもお前は大手の酒を売ってないだろ?」と言われるかもしれませんが、私が言いたいのはいたずらに大手批判をする人に「そういう事実があったことを認識して欲しい」ということでして、それ以上のナニモノでもありませんです。ハイ。