3回にわたりチェーンを作る過程を書きましたが、チェーンと切っても切れない関係のスプロケットの事を書かないでは片手落ちという事になります。
そこで今回の記事はスプロケットを作る方法を書こうと思います。
その内容は今更と言われるかもしれませんが、ことわって置きますが、この方法も諸先輩がとっくに取り入れている方法で、私ごときが語るには僭越かもしれません。
しかし、この部品を作る方法を事細かに解説されている記事はあまり多くは無いと思うので、丁度XS-1を作るに際し、チェーンを作ることになったのでこの機会を借りて紹介しようと思います。
チェーンのローラーの幅を0.7mmにしたので、同じ厚さのアルミ板を使います。
ローラーの幅と同じ厚さがポイントで、チェーンとスプロッケットは噛み合いがピッタリで横方向の隙間が有りません。
スプロケを作るにはチェーンのピッチを円周上にピッタリ合わさなければいけません。
100分の1単位の計算で直径を出し、デバイダーでアルミ板に罫書きますが、如何せん手作業ですから・・・。
円周を罫書いたらピッチ幅を円周上にポイントしていきます・・・これも手作業ですから・・・。
ポイントに0.4mmドリルで少し掘り込み、次に0.5mmで道穴を開けます。
0.4mmで穴を開けるには折損のリスクを伴うのでやめた方が良いかと。
道穴が開いたらドリルの太さを何段階かに分けて徐々に大きくし、最終的に1.4mmまで拡大します。
ドライブ側は既に出来上がりセンターの穴開けを待つばかり、ドリブン側は穴の周りを切り落としてスプロケットを切り出します。
切り出したスプロケットをヤスリで整形、微調整をして出来上がりました。
スプロケットの歯の部分は両面とも斜めにヤスリ、刃先も整形します。
最近は一発で出来る様になりました。
そしてチェーンをかけてみました、全周にわたって噛み合う事が必須条件。
噛み合いは、回転させた時にスムーズに噛み合い、スムーズに抜けること。
文句無し。
刃先が長いとローラに引っ掛かりますから、現物合わせで丁度良い所を探す事になります。
これで前後のスプロケットが完成、後はドリブン側に軽め穴と取り付けボルト穴を開ければ完成です。
チェーン作りとスプロケット作りを書きましたが、二つでセットですから結構大変な工作になります。
その内のスプロケット作りが成功するか否かでホイールを回転させられるか否かに関わりますから、どちらかと言うとやはりスプロケット作りの方が難易度は高いと思います。
いずれにせよ道具もたいした物は必要無いし、材料も大した物は使っていません、使うのは神経と忍耐力のみ、挑戦するにはそれ相応の覚悟は要りますよ。