ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

映画「コーラス」

2005年09月10日 20時14分11秒 | 映画

 昨日、下高井戸シネマで、例の映画「コーラス」を見てきました。平日でしたが、けっこう観客が集まりましたね。7割くらい入ったでしょうか。
 私はフランス映画のあの独特な雰囲気が大好きです。特に、ちょっと昔の感じがなんともいえなく、好きです。それにこの映画は、フランスの少年がたくさん出てくるのです。なんてかわいいのでしょう、日本人とは大違い(おっと失礼!)。一番チビのペピノなんて、本当、お人形さんみたい。とはいえ、いろいろ問題を抱えている子供たちの寄宿舎ですから、そんな生易しいものではありません。そこに、落ちぶれた音楽家のマチュー先生が舎監として赴任され、校長先生に反対されながらも、トラブルばかり起こす不良の子供たちに歌を教えていくのです。
 一番悪で、天使の顔をした悪魔といわれるモランジュには、まさに天使の歌声の少年。この子だけ、本当の声を使っているのです。サン・マルク少年少女合唱団の団員なんですから。いずれは声変わりで彼の声もかわってしまう、その前の奇跡の歌声のボーイソプラノ、この声に、世界中のおばさまたちが魅了されてしまうのです(私もその一人)。この少年が、演技が始めてなんて、とっても思えないくらい、素敵で切なくて、少年の屈折した心理を演じきっているんです(たまりませんね)。この子を見出したマチュー先生の演技も、なかなか素晴らしい。彼に会いに来るお母さんは若くて美しい。舞台が1949年だから、きっと戦争でご主人を失ったのでしょうか、それとも未婚で彼を産んだのでしょうか、とにかく毎日レストランで一生懸命働いているのです。面会に来ると、マチュー先生は、身だしなみに気を使ってそりゃもう、大変(かなりお熱のようです)。お子さんを音楽院に進めるようにアドヴァイスしたり、彼も必死。そして当然のように失恋してしまうというエピソードもちょっとコミカルに描かれていました。古い体制の、何か悪いことをすると体罰ばかりの、いまの考え方からは想像もつかない教育方針の中で、マチューは苦慮します。自分のことしか考えない校長、心を開かない子どもたち。でも、歌うことが少年たちを変えていく。いいですよねー。美しい歌声。
 でも、映画館の音響が、最初何か故障していたのか、ひどい音質でした。苦情を言いたくなったくらい。途中から直ったのか、気にならなくなりました。音楽がテーマの映画なんだから、音質はちゃんとしてほしいものです!
 この映画は、本当に地味ですが、フランスではじわじわと口コミで広まり、ついにはあの変質者としか私には思えない「アメリ」を超えたそうです。トーゼンよ。
 子どもには希望がある。そう思うと、涙が止まらないですね。いい映画を見ました。そしていい歌声を聞きました。いつもは、パンフも買わないのですが、今回は、パンフと、そしてサントラ盤のCDまで買ってしまいました。散財したので、帰りにノリエットに寄るのは止めて帰りました。でも、帰宅後すぐにこのCDを聞いて、また癒されました。少年合唱団が嫌いな夫には、まだ買ったことを報告していません・・・。

コメント (2)
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