昨日の日曜日、夫が休日出勤で出かけたのをいいことに、せっせと下高井戸に行き、かねて注目していた映画「ONCEダブリンの街角で」の12時30分からの回を観てきました。日曜日に行ったのははじめてくらいでしたが、けっこう混んでいて、なんとか後ろの席に空きを見つけて入り込みました。
映画は、まるでドキュメンタリーのような感じでした。それは、かなり少ない制作費で、カメラもハンディカメラなのではという撮影だったので、そう思ったのでしょう。私はアイルランドを見るのははじめてでした。ちょっと古そうなダブリンの街角で、ストリートミュージシャンをしている主人公と、日雇い仕事を見つけては何とか生活している子連れで母親と同居のチェコからの移民の若い女性との出会いと音楽でのつながりを淡々と描写しているのですが、これがたまらなく素敵なのです。彼女は、小さな娘を抱えていることから恋愛には発展したくないという事情もあり、お互いに好意を持っていても友情の域を出ないのです。でも、それがこの映画をさらに素敵にしているんだと、私は思いました。いまどきは男女なんて簡単に関係を持ってしまいますが、そうならずにいい関係でいることが二人の愛情を昇華させることになるのではないでしょうか。単純なラブストーリーではなく、まさに音楽によって気持ちを重ねることの素晴らしさを教えてくれる映画なのです。言葉が通じなくても、音楽で心が通うのです。
貧しい彼女の唯一の楽しみ、それは楽器屋さんのオヤジさんがいい人で、昼休みに店のピアノを弾くことを許してくれる、その時間が彼女の生活の中で一番の楽しいひとときだったのでしょう。そこにストリートミュージシャンの主人公を連れて行き、彼の作った歌を一緒に弾くのがなんともいいんですよね。音楽の原点の姿がそこにあるのです。
そういえば、その楽器屋さんに、「今日はヤマハはないよ、売れちゃったから」といわれていましたが、この映画の上映前の予告編の「僕のピアノコンチェルト」でも、ヤマハのグランドピアノを使っていました。まあ、こちらはヤマハがスポンサーだから・・。アイルランド映画も、少しはヤマハからお金もらえばいいのに!?
日本の楽器って、意外と世界的に有名だったりするんですよね。ヤマハももう一流だし、なんだか、ギターも相当、有名なメーカーがあるらしいです。ヴァイオリンやヴィオラも、がんばってほしいけれど、そっちはどうなのかな?
少ない製作費でこれだけいい映画ができるとは、なんと素晴らしいことでしょう!何十億という製作費でろくでもない映画を作り続けるハリウッドって、いわば、地球温暖化の原因を作っているともいうべき元凶なんじゃないかしら?ハリウッド、ざまーみろです(私は滅多に見ないのです、メジャーなアメリカ映画は)。これからも、マイナー映画を見続けるぞー!!
ひとつ、観損ねたアイルランド映画があるのです。「麦の穂をゆらす風」です。去年の3月に下高井戸シネマで上映していたんです、ああ、悔しい!DVDを買うしかないのかな・・・。