ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

タンホイザー 夕星の歌

2008年03月22日 14時37分11秒 | 音楽

 先日、夫に久我山ギャラリー藍のオルゴールミニコンサートの話をしてからです。夫は、メルクリンの鉄道模型を走らせて、オルゴールの音楽、それもワーグナーのタンホイザーの中の「夕星の歌」を流すのが夢なんだそうです(今のところ、我家のスペースにはそんなもの置く場所も作る場所もあるはずはありません、まあ、夢だから)。
 ワーグナーの楽劇「タンホイザー」は、実は私も生で聴いたことがあるんです。あの渋谷のオーチャードホールの杮落としでした。大好きなシノーポリが指揮したんですよ。なつかしいです。杮落としでオペラ、とても高かったけれど、当時は私も花の既婚OL、DINKSの強みで夫と二人で聴きに行ったのでした。でも、ワーグナー好きの夫と違い、私はなーんだか、ストーリーも理解できないし不思議な世界でした。そのときの、「夕星の歌」も、あまり印象に残っていなくて。タンホイザーといえば、知り合いが所属するアマオケでこの序曲をやったときに、弦のヴァイオリンが、どんどんバラバラになっていくのを面白がって聴いていたことがありました。コンマスの必死の演奏にもかかわらず、残りの人たちのボウイングが遅れて遅れて、見ていても、「もー大変」と感じたものでした。
 その楽劇の中で有名な「夕星の歌」、たしかにとてもいい曲です。個人的に、ワーグナーは人間として好かないのですが、天才とはそういうものでしょう。当時はワーグナーの音楽、そのスタイルは一世を風靡したそうです。延々と終りのない官能的な旋律は、なんだかウィーンの世紀末を思わせるものがあるのでは。
 映画の巨匠ヴィスコンティが「ルートヴィヒ 神々の黄昏」の中で、孤独なルートヴィヒが天井のプラネタリウムを眺めながらこの曲がオルゴールで流れているシーン、夫は魅了されたそうです。

 ところが、サンキョーやスイスのリュージュのサイトを探しても、どうも、この夕星の歌のオルゴールはないらしいのです。そんなーーー。有名な映画のシーンに使われたというのにです。こんなことって、あるのでしょうか?PCで見つけたこの極のオルゴール、MIDIです、当然、デジタルです。オルゴールの音色ではあるけれど、現実のものじゃないのが、本当に残念!サンキョーに直訴したいくらい。夫の夢をかなえてあげて、と言いたい。

 そして、カルテット仲間のTさんがウィーンに演奏旅行に行くから買ってきてーとお願いしておいた美しいシシィ(王妃エリザベート)の顔の小箱入りのスミレの花の砂糖漬け、インターネットで探していろいろ調べていたら、なんとシシィは、このルートヴィヒと従兄妹の関係で、実際にちょっと恋愛関係もあったようななかったような・・。無知だった私はこのつながりにびっくりしてしまいました。昔、ちゃんと文庫本で「狂王ルートヴィッヒ」を読んだはずなのに・・・。そのころはスミレの花の砂糖漬けには夢中になっていなかったから、しかたないですね。夫の夢は「夕星の歌」のオルゴール、私の夢は、シシィのスミレの花の砂糖漬け。

 夕星の歌、いい曲ですよ。こちらのページで流れています。

コメント (2)
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