昨日、夫と久しぶりに武蔵野市民文化会館の小ホールで古楽アンサンブル「レ・プレジール(デュ・パルナッス)」のコンサートを聴いてきました。
今回、開演は7時半と、普通よりも30分遅かったのです。三鷹、さらに駅から歩くということで都心からくるお客さんのために遅らせたのでしょうか。会場はほとんど満席でした。
この古楽グループ、実はリュート奏者が野入志津子さんという日本人なのです。とても優れた演奏家で、うちにはCDも2枚持っています。ということで、とても興味がありました。この演奏団体は、ただものではないな、という感じで予約したのです。
まず、ヴァイオリン奏者の演奏がすごいのです。バロックヴァイオリンですが、右手がとても見事で、空中遊泳みたいな軽さで重音(それも、片方の音は休符もつけながらひと弓で)を弾くのです。ヴァイオリンは、左手は職人、右手は才能だというから、本当に天才的な人なのでしょう、うらやましいなー。それに、ギターとしてヴァイオリンを使うときは抱えてピチカート、というように、ヴァイオリンをまさに多様に弾きこなすのはまるでマジックを見ているみたい。それが、音楽的なんだからまさにホンモノ!そして、バロックチェロの女性も、すごいテクニックでした。チェロでこんな速いパッセージ、弾けるわけないのに!まるでヴァイオリンのように軽妙に弾きこなしていました。もちろん、リュートの野入さんも素晴らしかったです。そして、オルガンとチェンバロを担当した方、アンドレア・マルキオルという奏者、最初、女性だか男性だかわからなかったのです。とてもきれいな顔立ちだし、あれー?と見ていて、演奏が終わって立ち上がったときの服装で、あ、男性だったと判明。まるで少女マンガの主人公みたいですよ。萩尾望都さんが描いた少年みたいでした。その彼は、曲によってというよりもっと、曲の楽章によってポジティーフオルガンとチェンバロを弾き分け、そのどちらの演奏も素晴らしいのです。チェンバロのソロ演奏も素敵でした。いいセンスしてますよ。
でも、武蔵野だからかな、お客さんはけっこう高齢者が多くて、咳をこらえていたり、そういう雑音が多くて。後ろの人は、大丈夫かなーと余計な心配をしながら聴いていました。
私たちはミーハーなので、夫は会場で販売しているCDを買い、遅い時間なのに(普段より30分遅い開演だから当然)並んでサインをメンバーの奏者たちからもらったのでした。私もヴァイオリンに感動し、彼は外国人なのに、日本語で感動を話してしまいました。隣の野入さんがそれを通訳してくれました(よかったー)。
東京では武蔵野だけだったようです。貴重な演奏を聴けて、よかったです。
さて、久しぶりにあのホールに行ったのですが、駅からの道、ずいぶんと様変わりしていてびっくりです。あのあたりは、大手メーカーが並んでいるし、民家もごちゃごちゃあったはずなのに、なんだかすっきりして、それにあるメーカーの場所は、そのまま時間貸しパーキングになっていたりして、世の流れの速さに驚いた次第です。