今日は、病院に行く前に府中の楽器屋さんに、弓2本と預けた楽器を取りに行きました。
ヴィオラダガンバも製作しだしたSさんは、古楽器演奏家にもモダン演奏家にも信望厚く、いつも忙しくて自分の楽器作りもままならない様子でした。とにかく、ストラディヴァリのような芸術的な楽器を作りたいと研究を重ねているようです。ストラディヴァリのことを話し出したら、忙しいのに話が終わらないのです。今日も、ストラディヴァリの寿命が来たなんていった音楽評論家を酷評していました。彼は本物に触れたことがあるんですね、きっと。だからこそ、その魅力にとりつかれているのです。確かに、ニスも秘密があるそうで、彼自身のニスも、製作後2年半でぐんと変わってくるそうです。うーん、すごい・・。そこで、いつまでたっても自分の楽器が出来上がらないという知人から、最近の新聞に載ったという信じられないヴァイオリン製作の話をききました。
こちらです。
おいおい、私の愛読紙だったなんて、ちょっとショック・・・。そして、その友人曰く、「ぼくの楽器にはヒビ入れないでね!」とのこと。本当、信じられません。
ヒビを入れたくてはいったわけではなく、焼き物だってわざといびつにしていたわけでもないのに・・・。あざといエイジングとしか思えないです。そんなのばかりだからイヤになるんだって言っていました。
100年後にはいい音色になるなんていわれても、そこまで生きているわけないんだから、そのときいい音色出せない楽器は、いい楽器ではないのです。
私の楽器は、20年前にSさんから買ったもの。19世紀末のフランス製のヴァイオリン。アマチュアならこれで十分です。もっといい音色を出せない私が悪いんですから・・・。
こういう状況になって、楽器があってよかったと思います。音楽することができるだけで、幸せ・・・。でも、もうヴィオラは弾かないかもしれません。先客の人が、ヴィオラを探しているそうですが、まあ、私の安物ではだめでしょうね。アマチュアですし・・・。もう、ヴァイオリンだけで十分です。とはいえ、マイナー楽器のヴィオラのおかげで、いろんな人と合奏する楽しみを味わえたのも事実。
弟子仲間の宴会では、ヴァイオリンでバッハのドッペルです。楽しみ!