ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇2月7日

2021年02月07日 17時09分37秒 | 短歌

馬場あき子選

三が日レタス植えおりコロナ禍に母国へ帰れぬ実習生が       観音寺市 篠原俊則

 この歌は佐佐木幸綱氏も選んでいます。三が日も働いているわけですよね、農業は。それも、外国から来た実習生です。日本の農業は、安い人件費をあてに、実習生に頼っている現実があります。本当は、まっとうな賃金を払わなくてはいけないのでは、といっても、農業自体、生計を立てるのには難しいのですよね。これこそ、この国の自給率が低いのですから、抜本的に改革しないといけない課題のはず。おかしいよね。人が奴隷のように扱われて言い訳がない。でも、農家の人たちが裕福でいるわけじゃない。そこも厳しい現実がある。悩み多き実態ですが、どうしたらいいのかしら。

佐佐木幸綱選

母のいた施設の部屋に貼られてる写真を剥がす一枚一枚       稲沢市 山田真人

 お母様は施設で亡くなられたのでしょうか、部屋の壁の写真を剥がされる光景、身につまされます。

高野公彦選

ポンペイに食堂・劇場・浴場あり古代より楽しみは集うこと     東京都 上田結香

戸を開けてくれぬ老人エアコンの音に生存確認をする        観音寺市 篠原俊則

 一首目、私もイタリア大好きですが、ポンペイ遺跡はテレビで見ただけ。でも、ローマ時代の遺跡は大浴場や円形劇場、とにかく人が集まるものが多いということは、そういう娯楽が人間に必要だからです。私たちはいつ、前のように集まっておしゃべりすることができるのか、本当に今はつらい。二首目はなんと、馬場あき子氏が選んだ歌と同じ作者。常連さんなんですね。コロナ禍で、孤独死は増えてきているのかもしれません。引きこもりの認識がなくても、コロナに感染していて急死しているなんてことも・・。怖いです。

永田和宏選

飲食が感染場所だと語りおりGoToイートをすすめた総理が     観音寺市 篠原俊則

消えたのは配った人とあのマスクいつまでたっても消えないウイルス 岡山市 伊藤次郎

 一首目、なんとなんとまたも観音寺市篠原さん、すごいですね。私は時事問題を詠った歌が大好きですから。今の社会を詠まなくてどうすると思っています。きっとこれから、例の女性蔑視発言のことを詠んだ歌がたくさん紙面に載ることでしょう、私も出しましたよ。二首目、本当にこのウイルスはしぶとい!とてもコントロールできない。早く終息してと願わない人はいないはず。なんとか生き残りましょう!

コメント
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