ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇9月5日

2021年09月05日 19時55分35秒 | 短歌

高野公彦選

選手らを全力応援するわれは今も開催に反対のわれ         相模原市 石井裕乃

<効いている証拠>と吐き気を紛らしたコロナワクチン接種後二時間 津市 土屋太佳子

 一首目、まさに同感です。私も反対しているのに、オリンピックもパラリンピックもテレビでしっかり応援していました。二首目、確かに2回目の接種の時の方が、副反応は強いと思います。昭和32年生まれの私の世代は、2回目の後は必ず高熱が出たそうですよ。私も何十年ぶりかで39度の高熱を出してしまいました。びっくりでした。

永田和宏選

言霊の国の総理があいさつの言葉とばして原爆忌終ふ       神戸市 松本淳一

安心と安全だけを繰り返す機械のような淋しき宰相        横浜市 森秀人

 一首目、菅総理の言葉の虚しさをよく表現しました。終わるという言葉の古語は、おくりがなは「ふ」でいいのかな?ちょっと疑問。二首目もテーマは同じ。そうそう、菅さん、総理辞めるんだって?彼の任期の間、私たち国民は彼の本当の言葉が聴けなかったし、彼は私たちに届く言葉を一切話さなかった。これが事実です。安倍元総理も同じですよ。彼の言葉は本当に中身がなかった。菅総理もそのままそれを受け継いだのでしょう。意味のない言葉は、国民には届かないのですよ。説明も何もしない。よくもまあ、それで要職についていたもんだわさ。

馬場あき子選

ワクチンをヴァイオリニストは腰に打つ腕も楽器の一部であれば  札幌市 住吉和歌子

 去年、コロナ禍の医療現場が大変な中、イタリア在住の日本人ヴァイオリニストが、病院の屋上で彼らに向けて演奏をしました。それをネットで見て、大泣きしました。ネットで配信されたのは、彼女が演奏した「ガブリエルのオーボエ」でした。その映像でも、イタリアの病院でのコロナとの闘いの現状が見えました。本当に疲れ切った彼らに届いたヴァイオリン演奏、心が洗われました。ヴァイオリンを演奏する体も楽器になるのです。特に腕は。腕に打って何かあったら、演奏はできません。そうか、腰に打つんだと感銘を受けた歌です。この歌は佐佐木幸綱氏も選んでいます。

佐佐木幸綱選

ユーモアの底に倫理を忍ばせた憎めぬオヤジフジ三太郎      中津市 瀬口美子

冷水で食器を洗う心地よさ炎暑の夏の素手の感触         留萌市 江畠幸枝

 一首目、先日亡くなったサトウサンペイ氏の追悼の歌です。彼のフジ三太郎は、まさに昭和のサラリーマンの漫画でした。本人はとてもシャイな感じが印象に残っています。二首目、このところの急激な肌寒さに、あの猛暑の夏野感触をこの歌で実感しました。北海道ならなおさらです。私はまだまだ猛暑が続くと思って、6本セットのスパークリングワインも買っちゃったし、まだカルピスは残っているし、アイスコーヒーのポーションだって!どうしてくれるんだよーーーー!あのオリンピックの頃の猛暑は、消えちゃったってこと??

 

コメント (2)
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