京都なんて近い近い。
新幹線使っちゃえば、取手からたった3時間とちょっとで行けます。
仕事が終わり、ヘッドランプも何とかなりそうなのでいざ出発。
雨も降ってきました。
傘は小さめだけど軽くて非円形な後ろ側が長いタイプにしました。
防水スプレーを施した軽めのトレッキングシューズは、いくつかあるロングウォーク用の中から普段のてくてく通勤で一番違和感が出るのが遅いものを選びました。
それと今回は新兵器として『アーチ形状の違う替えのインソール』を持ちました。
こういう時、新しいアイテムを購入して使用するのは良くないと思います。ほんの少しの縫い目の当たりや指先の圧迫、ソールの硬さ具合なんかも丸一日ともなると絶対的に気になるはずです。
体力が残っているのに、そういうところで違和感を訴えて目的に対して苦し紛れになるのは、準備段階からもう結果が見えていると思います。
つまり言い訳ですね。
しっかり準備して快適に楽しみたいですね。
まさにその言葉は僕にも当てはまり、準備不足を露呈させてしまう場面に遭遇してしまいました。
それは後ほどお話しします。
あっという間に京都駅。
スタート地点は一般的に伏見稲荷駅となりますが、僕が選んだのは終点の上桂駅です。
ある作戦があったからです。
その作戦とは、沢沿いの危険地帯を体力的、気力的にも浪費していないうちに抜けることです。
おそらく雨による増水も予想されます。
京都駅から上桂駅までは乗り換え2回です。
時間もかかるし、土地勘も無く面倒なこともありタクシーを利用します。たしか1600円ぐらいで行けたような…。
このコースはプロジェクト的にすごいと思います。
よく考えられているし、歩いてみて唸ることしきりでした。意地悪いというか、何度となく膝から崩れ落ちそうになりました。
非常に印象深い思い出になりそうです。
逆回りを選択した僕、カッパを着込みさらに傘をさして駅から登山口のある場所へゆっくりと移動します。
激しい割にさほど風が強くないのは地形のおかげなのでしょうか。
最初は画像のような和やかなシーンを抜けていったりしていたのですが、思っていたよりも早い段階で山岳オフロードへ足を踏み入れることになりました。
なんか様子が違うぞ…。
『京都一周トレイル』なんて軽い響きが誰でも歩けるお気軽ウォークに感じさせてくれますが、ちょいと勝手が違うので軽い戸惑いを隠せませんでした。
やがて辺りは完全に闇の中に入りました。
相変わらず雨は勢いを弱めること無く降り続いています。
スタートが23時10分だったので、予定よりはるかに早かったです。
でもそれが気持的にアドバンテージを与えてくれて、ゆっくりと歩ける余裕を生み出してくれました。
そして自分の予想より早く沢沿いの道へといざなわれていくのでした。
当然辺りはまだ漆黒の夜。
激しい滝のような轟音とともに逆巻く流れ。
わかってはいましたが、ここでの選択肢は3つと考えました。
戻って中止。
半日待って水量が減るのを待つ。
迂回路を探す。
どれも今の僕には受け入れられず、ゆっくりと確実に歩みを進めて行くことしか出来ませんでした。
たぶん明るければ何ともなかったかも知れませんし、逆にすべてが見えてしまったら恐ろしくなってしまって身体が固まってしまったかもしれません。
ここは自分にとって都合良く解釈することにしました。
足元を確実に、なるべく水際を避けて行こう。
ところが…。
『おお… これは危険』
防水堤から水際まではわずか2㎝程度。しかも逆巻く流れ。
戻るにはあまりにもリスキー。
戻ってどうなる?
ここは速やかにかつ確実に通過しようと考えました。幸い雨は止んではいませんが、天気は予報通り回復傾向にあると思いました。
雨量は多かったですが、すでに今が沢の水量は降り始めた時間的にもMAXであろうと判断できます。
ここから鉄砲水のように増水することはまず考えられません。
慌てることは無い、落ちたら助からないのだ。
やがて危険地帯は僕から離れていきました。
ホッと胸をなでおろす僕の前に現れたその場面。
思わず膝から崩れてしまいそうでした。
『考えるんだ… よく見て考えるんだ』
続く。
新幹線使っちゃえば、取手からたった3時間とちょっとで行けます。
仕事が終わり、ヘッドランプも何とかなりそうなのでいざ出発。
雨も降ってきました。
傘は小さめだけど軽くて非円形な後ろ側が長いタイプにしました。
防水スプレーを施した軽めのトレッキングシューズは、いくつかあるロングウォーク用の中から普段のてくてく通勤で一番違和感が出るのが遅いものを選びました。
それと今回は新兵器として『アーチ形状の違う替えのインソール』を持ちました。
こういう時、新しいアイテムを購入して使用するのは良くないと思います。ほんの少しの縫い目の当たりや指先の圧迫、ソールの硬さ具合なんかも丸一日ともなると絶対的に気になるはずです。
体力が残っているのに、そういうところで違和感を訴えて目的に対して苦し紛れになるのは、準備段階からもう結果が見えていると思います。
つまり言い訳ですね。
しっかり準備して快適に楽しみたいですね。
まさにその言葉は僕にも当てはまり、準備不足を露呈させてしまう場面に遭遇してしまいました。
それは後ほどお話しします。
あっという間に京都駅。
スタート地点は一般的に伏見稲荷駅となりますが、僕が選んだのは終点の上桂駅です。
ある作戦があったからです。
その作戦とは、沢沿いの危険地帯を体力的、気力的にも浪費していないうちに抜けることです。
おそらく雨による増水も予想されます。
京都駅から上桂駅までは乗り換え2回です。
時間もかかるし、土地勘も無く面倒なこともありタクシーを利用します。たしか1600円ぐらいで行けたような…。
このコースはプロジェクト的にすごいと思います。
よく考えられているし、歩いてみて唸ることしきりでした。意地悪いというか、何度となく膝から崩れ落ちそうになりました。
非常に印象深い思い出になりそうです。
逆回りを選択した僕、カッパを着込みさらに傘をさして駅から登山口のある場所へゆっくりと移動します。
激しい割にさほど風が強くないのは地形のおかげなのでしょうか。
最初は画像のような和やかなシーンを抜けていったりしていたのですが、思っていたよりも早い段階で山岳オフロードへ足を踏み入れることになりました。
なんか様子が違うぞ…。
『京都一周トレイル』なんて軽い響きが誰でも歩けるお気軽ウォークに感じさせてくれますが、ちょいと勝手が違うので軽い戸惑いを隠せませんでした。
やがて辺りは完全に闇の中に入りました。
相変わらず雨は勢いを弱めること無く降り続いています。
スタートが23時10分だったので、予定よりはるかに早かったです。
でもそれが気持的にアドバンテージを与えてくれて、ゆっくりと歩ける余裕を生み出してくれました。
そして自分の予想より早く沢沿いの道へといざなわれていくのでした。
当然辺りはまだ漆黒の夜。
激しい滝のような轟音とともに逆巻く流れ。
わかってはいましたが、ここでの選択肢は3つと考えました。
戻って中止。
半日待って水量が減るのを待つ。
迂回路を探す。
どれも今の僕には受け入れられず、ゆっくりと確実に歩みを進めて行くことしか出来ませんでした。
たぶん明るければ何ともなかったかも知れませんし、逆にすべてが見えてしまったら恐ろしくなってしまって身体が固まってしまったかもしれません。
ここは自分にとって都合良く解釈することにしました。
足元を確実に、なるべく水際を避けて行こう。
ところが…。
『おお… これは危険』
防水堤から水際まではわずか2㎝程度。しかも逆巻く流れ。
戻るにはあまりにもリスキー。
戻ってどうなる?
ここは速やかにかつ確実に通過しようと考えました。幸い雨は止んではいませんが、天気は予報通り回復傾向にあると思いました。
雨量は多かったですが、すでに今が沢の水量は降り始めた時間的にもMAXであろうと判断できます。
ここから鉄砲水のように増水することはまず考えられません。
慌てることは無い、落ちたら助からないのだ。
やがて危険地帯は僕から離れていきました。
ホッと胸をなでおろす僕の前に現れたその場面。
思わず膝から崩れてしまいそうでした。
『考えるんだ… よく見て考えるんだ』
続く。