原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

マスク着用の勘違い

2020年02月22日 | 医学・医療・介護
 国内の新型コロナウィルス感染情報が、日毎に数多く報道される我が国だが。

 先だってネット上で、元医学関係者としてはアンビリバボーな情報を発見した。
 何でも、電車内でマスクをせずに咳をした乗客の隣に座っていた乗客が、非常停止ボタンを押して電車を停止させたらしい。
 慌てて駆けつけた運転手等々が両人の間に入り、“和解”にこぎ着け5分程の停止で電車は再運転されたようだが。

 この国の市民間での“マスク神話”もここまで歪みが来ると、いずれマスク着用・非着用をめぐって、殺人事件でも勃発するのではなかろうか!?? と背中が薄ら寒くなる… 😱 

 
 私事を語ると、私は最大限マスク非着用派だ。 
 いえ、自宅での掃除中には必ず着用する。 何故ならば“アレルギー性鼻炎”があるためだ。  特に“ハウスダスト”には至って敏感で、トイレの換気扇を回しただけで、いつもくしゃみの連発だ。 夜中に亭主にトイレに入られて一時換気扇を回されても、“くしゃみ発作”に苦しめられ、その後しばらく眠れない。
 他人のお宅を訪れた時にもこの“くしゃみ発作”が起こってしまうことがある。 我が家よりも、ハウスダストが多いものと想像するのだが…

 そんな私だが、今回の新型コロナウィルス騒動に際し、外出時にマスクを着用していない。  先だって税務署へ確定申告に出かけたときにも非着用だった。  一応マスクを持参して行ったが、初日だったせいか予想よりも混雑が少なく短時間で終了したのも功を奏した。

 我が娘も、どうもサリバンである私の影響を受けやすく、通勤満員電車に乗る際もマスクを着用していない様子だった。
 ただ、上記の電車内“非常停止ボタン事件”を見聞した後、私は娘に告げた。 「マスク着用に関して大いなる勘違い人種が多発している我が国に於いて、貴女も“コホン”と言えば非常ボタン”を押されないとも限らない。 感染防止よりも、マスク勘違い人種より同様の被害を回避するために、電車内では演技でもマスクを着用しなさい。」


 この“マスク勘違い人種”にとって、わかり易く“マスクの効用”に関して記載した記事を、本日2020.02.22付朝日新聞記事 耕論 「マスク依存社会」内で発見した。

 内科医で感染症にも詳しい久住英二先生による 「元気な人の予防なら(マスクは)不要」と題する記事を以下に要約引用させて頂こう。

 日本では「予防策」のためのマスク着用が、新型インフルエンザ流行や花粉症対策などで広まった。 新型コロナウィルスの感染拡大で、今や公共の場でマスクを付けていないと逆に注目され、「非常識」と思われてしまいそうである。
 しかし通常のマスクには、感染症から身を守る効果はあまり無い。 構造上どうしても隙間ができるし、0.1マイクロの新型コロナウィルスは通してしまう。 気密性が非常に高い「N95マスク」もそうだ。 そもそもN95マスクは息苦しく、長時間の着用は厳しい代物だ。
 またウィルスは鼻、口だけで無く目からも入る。 マスクをしていてもゴーグルをつけなくては、「頭隠して尻隠さず」となる。  
 つまり、マスクは予防策ではない。 自分の病原体を他人に感染させないための道具で、元気な人は基本的につける必要がない。 一般のマスクでもウィルスがついた唾液は捉えられるため、せきや熱症状があるひとが着用すれば、感染症予防効果がある。 新型コロナウィルスの厄介な点は、感染しても症状がない人が多いこと。 感染者がウィルスを広げないようマスクをする効果は一定程度あるだろう。
 だから少しでも使ったマスクは病原体だらけで、むしろ「感染源」。  ポケットから出し入れして何度も使う人を見かけるが、一度外したらすぐに捨てるべきだ。
 日本では体調が悪くても「休めない」と病院で薬をもらい、職場や学校へ行く人が多い。 人口密度が高く満員電車通学する人も多いため、感染症が広がりやすい素地があると言える。
 マスクの買い占めも起き病状がある人等本当に必要な人に行き渡らない事態になっている。 そこまで感染症への恐れが強いのに本質的な予防策がとれていない。 感染症の予防は手洗いが基本だ。 マスクが単に「健康に気を遣っています」というポーズに終わっている。
 マスクを付けているから大丈夫、なる安心感から、科学的に根拠ある予防策をとらない社会では、感染症は広がる一方だ。
 
 (以上、朝日新聞記事より内科医先生による記載を要約引用したもの。)


 実はこの私もつい最近、ネット上のとあるアンケートの場で「マスク」に関する記載をしたばかりだ。
 その内容とは、上記の久住先生論評とダブるのだが。
 通常のマスクは新型コロナウィルスを悠々と通してしまう故に、感染防止目的で着用する意味は無いこと。 
 ついでに、医学的根拠を露知らずしてやたらと他力本願でマスクを着用したがる人種に“嫌み”を込めて。  「本気で感染したくないならばマスクを着用するよりも、公衆の場では自分の息を止めるのが一番です!」と書いた… (もちろん冗談ですので良識ある皆様には実行しないで頂きたいが…。😵

 それ程までにこの国の市民達とは、むやみやたらと“マスク志向”に走っている感がある。 
 その行動を“我が身息災”として片付けるには、あまりにもお粗末ではなかろうか?
 ここは上記内科医・久住先生のご論評を今一度熟読し、自己の明日からの“マスク志向”を、少しは本気で感染症予防観点に立ち戻って修正して欲しい思いだ。

 少なくとも、電車内で隣席の人がマスク無しで咳をしたとしても。  少しは冷静に判断し、車内非常停止ボタンを押して電車を止めるのはやめましょう。

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