表題の梶田氏と菅首相との10月16日の会談に於いて、梶田氏は会員の任命から除外された6人の速やかな任命と理由説明を求める要望書を提出したのに対し。
首相側は、今後の対応や理由について言及しなかったようだ。
会談は、たったの15分間のみ。
首相は会談後、記者団の取材に対し、「学術会議が国の予算を投ずる機関として国民に理解される存在であるべきだ」との考えを述べたらしい。
梶田会長からは、「未来志向で今後の学術会議のあり方を政府と共に考えていきたい」との話があったとのことでもある。
その後梶田氏は記者団の取材に応じ、「本日はそこまで踏み込んでお願いはしていない。 学術会議の今後のあり方について、意見交換をさせてもらった。学術に基づいて社会や国に国に対して、どういう風に貢献していくかというようなことを主に話した」と明かしたようだ。
「任命除外問題の対応については、「学術会議でしっかりと検討していきたい」と述べるにとどめた、との報道だ。
(以上、朝日新聞昨日2020.10.17付朝刊記事より一部を引用したもの。)
一旦、私見に入ろう。
このニュース、私も16日夜のテレビニュースにて見聞したが。
学術会議の梶田会長にとっては、またと無きせっかくの菅首相との二者会談にもかかわらず。 たったの15分、しかも何らの対話らしき対話もなされぬままに、核心の部分にはまったく触れず終いで終了した様子に拍子抜けの思いをさせられた。
これ、元々“そういう会合にしよう”との両者の約束だったのだろうか? 例えば、どちらかの時間の都合等々で。??
こんなご対面(決して“会談とは言えないだろう)に終わるのならば、むしろ梶田会長としては回避するべきだったのではなかろうか?
学術会議経験豊富な他の幹部と共に、もっと実のある菅首相の対応会談を設けるべきだったはずだ。 (今後その予定が組まれているのだろうか。)
そのように落胆していたところ。
やはり巷では、この会談等を批判したコメントが公開されている。
まずは、小沢一郎衆院議員のツイッター投稿から紹介しよう。
小沢氏は17日付ツイッター投稿で、日本学術会議を巡る問題に関して「もはや意味不明。いつのまにか日本学術会議こそが諸悪の根源のような話になってしまっている」と指摘した。
菅義偉首相が16日に、日本学術会議の梶田隆章会長と会談し「国の予算を投ずる機関として国民に理解をされる存在であるべき」と伝えたと報じたニュースを引用し、批判した。
小沢氏は「総理自らが招いた学問の自由の侵害なのに問題のすり替えに血眼。政権の批判者を徹底的に潰す極めて陰惨な政治手法」と投稿した。
次に、前川喜平元文部科学事務次官による16日のツイッター投稿だが。
日本学術会議の梶田隆章会長が官邸に出向き、同会議が推薦した会員候補6人の任命拒否問題を巡り菅義偉首相と会談したものの、理由の説明と6人の速やかな任命を求める要望書を提出して終わったことに「腰砕け」と投稿した。
前川氏は「梶田学術会議会長は、何をしに官邸まで行ったのか。腰砕けもいいところだ。菅首相の思う壺にはまってしまった。情けない」と憤まんやるかたないといった胸中をにじませた。
(以上、ネット情報より引用したもの。)
まず、小沢氏のツイッター投稿だが。
「いつのまにか日本学術会議こそが諸悪の根源のような話になってしまっている」 更には、菅首相の「国の予算を投ずる機関として国民に理解をされる存在であるべき」との発言に対し、小沢氏は「総理自らが招いた学問の自由の侵害なのに問題のすり替えに血眼。政権の批判者を徹底的に潰す極めて陰惨な政治手法」
これらの小沢氏のご指摘、ごもっとも!
まさに、菅首相による“問題のすり替え”に他ならず、政権批判者を徹底的に潰す極めて陰惨な政治手法だと、原左都子も同感だ!😠
これに対し前川氏のツイッター投稿は梶田氏批判に集中している。
確かに、今回の梶田会長の菅義偉首相の対応が「腰砕け」であると批判されてもやむを得な一面もあるかもしれない。
ただ、菅首相の“思う壺”にはまったかどうかは、今後の学術会議幹部の対応に一任される問題ではなかろうか?
以前にも、梶田会長人事に関する我が感想を「原左都子エッセイ集」バックナンバーにて述べたが。
学術会議新会長人選に於いて梶田氏が任命されたのは、(あくまでも我が推測だが)梶田氏が「ノーベル賞受賞者」であり国民にも名を売っている存在であるが故、と私は推測している。
梶田氏が喜んでそれを受諾したのかどうかは私の知るところではないが。
とにかく、理系現役学者・研究者とはその実務に多忙なはずだ。 ましてや梶田氏は未だ61歳の若き研究者。
それでも、今回のような菅首相(管政権)による“学術会議任命拒否”なる歴史上許容しがたい“科学への冒涜”が成されずに済んだ場合、ノーベル賞受賞者であられる梶田氏でも十分に会長職が全う可能なはずだった、と私は想像する。
そもそも物理学がご専門の梶田氏に、歴史を平然と冒涜する身の程知らずの菅首相の“対応をお任せする”事実自体に無理がある、と私は結論付けたい!
今後は、日本学術会議全体が管首相(管政権)に立ち向かって行き、科学活動の本来あるべき姿を死守されることに期待したいものだ。