礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

己が欲する所人に施すべし(文部省印行『修身教訓』)

2021-04-07 01:43:56 | コラムと名言

◎己が欲する所人に施すべし(文部省印行『修身教訓』)

 明治十年版の『修身教訓』と明治十三年版の『修身教訓』は、基本的に同内容である。ただし、組版の仕方が違うので、それがページ数の違いとなってあらわれている。また、前者にあった誤植は、後者では訂正されている。
 両版、ともに活字版である。今日でいう「変体仮名」が多用されている。ただし、変体仮名が用いられている部分は、両版で微妙に異なっている。
 以下に、『修身教訓』という本の内容の紹介を兼ねて、両版の「目録」を紹介してみる。その際、変体仮名が用いられている箇所は、それが由来する漢字を太字で示しておいた。

明治十年版『修身教訓』の目録(第一課~第八課)

修身教訓 
  目録
第一課
 己る所人施すべし
  善行の話
  又一話
  寛仁る隣人の話 
  哀れなる童子の話 
第二課 
 怨徳を以てす
  仁愛の勢力の話
  親切を以て勝を得たる話
  商賈の怨を報いし話
第三課
 人対して做しる小悪即己対して做したる大悪り 
  心重傷を負ひたる話 
  又一話
  良心の勢力の話
  釘を柱上打ちる話
  又一話
第四課
 正道の勇気勇気の最貴ぶへき
  真正の勇気の話
  真正の勇気あらさる話
  真正勇気
  正理従ふべきの話
  純善の豪気の話
第五課
 之を期る緩舒るべく之を行ふ確切るべし
  匈牙利人闘争の奇談
  約束を破し話
  幼年る客人の話
第六課
 爾の父母敬愛を尽べし
  童子の逃亡せし話
  蛮民の母を敬愛せし話 
  孝子の話
  教大長チルロツトソンの話
  リチモント劇場焼失の話
  死せし人を憶ひ出し深く悔ゆることあるの話 
第七課
 信実を思ふべし信実を語るべし信実を行ふべし
  新聞紙鬻く児童の信実らざる話
  身詐偽を行ひたる話
  事を巧做し得たる話 
  身詐偽を行さる話
第八課
 人其機会を得ば必善を他人べし
  金銭をよく使用したる話
  人其の做し得らるゝ時当りて必涙を拭ひ乾さしむべき話
  真正の仁愛の話
  信実謊虚より神妙なる功徳あるの話

明治十三年版『修身教訓』の目録(第一課~第八課)

修身教訓 
  目録
第一課
 己る所人施すべし
  善行の話
  又一話
  寛仁る隣人の話 
  哀れなる童子の話 
第二課 
 怨徳を以てす
  仁愛の勢力の話
  親切を以て勝を得たる話
  商賈の怨を報いし話
第三課
 人対して做しる小悪即己対して做したる大悪り 
  心重傷を負ひたる話 
  又一話
  良心の勢力の話
  釘を柱上打ちる話
  又一話
第四課
 正道の勇気勇気の最貴ぶへき
  真正の勇気の話
  真正の勇気あらさる話
  真正勇気
  正理従ふべきの話
  純善の豪気の話
第五課
 之を期る緩舒るべく之を行ふ確切るべし
  匈牙利人闘争の奇談
  約束を破し話
  幼年る客人の話
第六課
 爾の父母敬愛を尽べし
  童子の逃亡せし話
  蛮民の母を敬愛せし話 
  孝子の話
  教大長チルロツトソンの話
  リチモント劇場焼失の話
  死せし人を憶ひ出し深く悔ゆることあるの話 
第七課
 信実を思ふべし信実を語るべし信実を行ふべし
  新聞紙鬻く児童の信実らざる話
  身詐偽を行ひたる話
  事を巧做し得たる話 
  身詐偽を行さる話
第八課
 人其機会を得ば必善を他人べし
  金銭をよく使用したる話
  人其の做し得らるゝ時当りて必涙を拭ひ乾さしむべき話
  真正の仁愛の話
  信実謊虚より神妙なる功徳あるの話 

『修身教訓』は、第三十二課まであるが、とりあえず本日は、第八課まで。
 ここまでに用いられている変体仮名は、以下の通り。【 】内は、今日、用いられている仮名。

【は】  【に】  【り】  【か】  【た】  【れ】 
【な】  【の】  【の】  【ゆ】  【も】  【す】

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