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ザックジャパン(85) 何度も書くけど、「香川の原点」  文科系

2013年06月12日 01時40分16秒 | スポーツ
 ここに何度か書いてきたが、香川真司の原点を今一度振り返っておきたい。代表の得点法の弱点「中央突破得点」に関わるものだから重要なことなのだ。南ア大会後の2010年9月、代表新監督としてザックを発表後、監督就任の直前に行われたパラグァイ戦の眼の覚めるような一場面である。当時世界15位で、南ア大会ベスト8に向かってどうしても得点できぬままにPK戦敗退の憂き目を見た相手だ。常日ごろブラジル、アルゼンチンと戦っており、守備に大きな自信を持ったチームだった。以下は、この相手のゴール前方守備4~5人ほどをたった2人の日本人で崩して見せた得点光景である。2010年9月17日の拙エントリーから転載させていただく。

【  次に、新生代表パラグァイ戦から、守備の要・細貝萌に次いで、新エースと呼ぶに相応しい香川真司の点取りをここでこう、評させていただいた。
『 次いで目に付いたのが、香川だ。同じMFの本田より、現時点で既に良いと思う。日本人が弱いシュート力と人並み外れた技術的スピードとの優秀さは既に同格で、違いはここ。本田の強みが体全体の強さであるのに対して香川には絶対的スピードがあり、このスピードに乗ったシュート技術なども日本人離れしているのではないか。タイプとしてはブラジルのカカーかな?』(サッカー代表、パラグァイ戦雑感 9月06日)

 さて、これと同じ香川への評価を、パラグァイ戦得点をアシストした中村憲剛が、スポーツグラッフィック・ナンバー最新号でこう語っている。ちなみにあの得点場面を再現描写しておくと、こんな感じだったろう。
 敵ゴールに向かってやや左30メートルほどにいた香川が、その右横のゴール正面25メートルほどにいた憲剛にボールを預ける。と同時に、するすると右斜方向のゴール正面へと走り込んでいく。初めはゆっくりと、そしていきなり全速力で、ゴール正面のDF数人の中へ走り込んでいく勢い、感じだった。そこへ憲剛のスルーパス。3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス・アシストである。香川はスピードを落とさずにこれを、ワンタッチコントロールから右足シュート。
 憲剛の「表現」を聴こう。
『ああいうのは、センスだよね。実は真司が初めて代表に来たときから、2人で今回のようなプレーをしていたんだ。走っているあいつの足元にパスを出すっていうね。真司の特徴は、動きながらボールをコントロールできること』
『日本代表もパラグァイ戦のようなプレーができれば、もっと楽しくなるんじゃないかなと思う。あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃうんだから』
「あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃう」、憲剛は簡単に語っている。が、相手は世界15位。ブラジル、アルゼンチンの点取り屋を日頃の相手にしてきたDF陣である。上記の得点に二つの超難度技術が必須であったのは明白。一つは憲剛が述べているように「動きながらボールをコントロールできる」選手だが、その直ぐ後で憲剛は「まだ日本には(香川以外は)ほとんどいない」とも語っている。そしてこの必須要素の今一つは、上の表現で言えば、これ。「3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス」。敵ゴール前にこのようなスルーパスを進められる選手は、憲剛の他には長谷部しか僕には名前が挙げられない。2人ともいないときの代表が「敵ゴール40メートルほどに迫ると、横パスばっか」となるのは、そういうことだと理解してきた。

 こうして、結論。これはナンバー同号同記事の冒頭の表現であって、憲剛・香川によるこの得点への評価として、僕も大賛成。木崎伸也の文なのであるが、分析力、表現力も含めて、優れたスポーツ記者だと思う。
『一瞬のプレーに、日本サッカーが目指すべき方向性が凝縮されていた。』】

 以上述べてきた香川のこの能力は、今ではさらに磨かれている。彼がそこでチームとともに世界に羽ばたいていったドイツ・ドルトムントは、香川のこの能力にこそ目を付け、さらに磨きをかけ、彼をエースとして活用したのだから。2010年のころよりもスペースは遙かに狭くなったが、彼に相応しいパサーがいれば2~3人でも中央突破が出来るのだと思う。例えば、高速下でワンツーや「第3の動き」やを多用するようなやり方で。マンUでも、香川に向けてこの役割を果たせるのはまだウェイン・ルーニーとファン・ペルシーしかいないのだけれど。
コメント (10)
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