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随筆紹介 「きらきらネーム雑感」    文科系

2018年08月30日 18時31分00秒 | 文芸作品
 きらきらネーム雑感   H・Sさんの作品です                                             


女子中学生A子さん十四歳の投書文を読んだ。最近の名前の付け方は疑問と言い、当て字などが増えてわかりにくいとあって、以下のように続いていく。テレビ特集で取り上げられたきらきらネームは覚えてもらうのに便利だと言う人もいるが、就職・進学には不利だという特集だった。インターネットでも「子供が親のアクセサリー化している」という記事もあった。男の子が欲しかったのに女の子が生まれてきたと親の身勝手な理由で、女の子が健一郎と付けられた。この子が可哀想だ。親の常識を疑う名前も多い。例えば、茄子。この読み方は「かこ」なのだそうだが、一般にはナスである。きらきらネームは役所に届を出す時にやめるべきだ。名前は一生もの、親がもっと考えるべきだ。名前は個性的であるべきだという人がいるが、子供がいじめられるような名前は個性的ではない。以上がA子さんの投書文だ。
 なるほど、女の子なのに健一郎。茄子を「かこ」と読むとしても、この漢字の意味が解ると、本人はショックだろうと、私もA子さんと同じ意見だ。

 新聞で私も変わった名前を見付けたよ。最近のパラリンピックで、スノーボードの成田緑夢選手だ。グリムと振り仮名があるのを知った私は、確かに緑はグリーンで、これを夢と組み合わせてそう読ませようというのだと読んだよ。私は漢字を外国読みすることは好まないが、世間ではこういう読み方が増えている。私の友人の話では、きらきらネームを集めているインターネットサイトがあって、びっくりするような名前が掲載されているとのこと。そのいくつかを私は書き留めたので、紹介しよう。
 一は「愛夜姫」を「あげは」、二は「紗冬」を「しゅがあ」、三は「心」を「ぴゅあ」などなどがあった。私の貧しい言語感覚では全く理解できなかったよ。いくら考えても、一は全くお手上げ。二は調味料の砂糖に関わらせるようだが、「砂糖」を「紗冬」と書く子に育たねば良いのだけれど。三は純粋と言いたいらしいが、この子の心がはて、純粋になれるだろうか? こんなでたらめが広がってゆくと、漢字文化が壊れるのではないかと私は心配している。情けないことになってきたと気持が落ち込んでいた時、A子さんの投書を読んだ。無理な読み方は嫌だから、名前はやはり誰にでも読めて意味のあるものであって欲しいと、自分の意見を書いている。
 これはすごいことだよ。A子さんは現在十四歳。きらきらネームが流行りだし、それを赤ん坊に付けることを親がやり始めた頃に誕生した世代だ。赤ん坊だった人たちが自分の名前について意見が言える年齢に育ってきた。この世代の皆さんが自分の名前についての思いを述べてくれたら、これから親になり生まれてくる子供に名前を付ける人たちの目に触れ気配りする人たちが増えてくれたらと、私は願っている。というのは、名前というものは本人が自分に付けることができず、他人が付けたものを一生使用する、何とも厄介なものだと、私は思っているからだ。
コメント
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