今年のJリーグは、リーグ新参・町田の大健闘に町田ファンでなくても熱狂。他方、町田へのやっかみか、わざとのような非難も多く出た。合法なロングスローへのわざとらしいそれ。その際の「ボールへ水かけ」は文字通り非難された。また、世界的に強烈プレス時代というのに、町田のプレスはことさらに非難された。そんな今、表記の通りに町田にも在籍した鄭大世(チョンテセ)がこう町田を擁護していることに対して、僕は批判してみたい。
「 元北朝鮮代表FWはさらに「サッカーしている人は『普通だよね』『激しくて当たり前じゃん』。でも、サッカーを知らない人が『激しすぎるだろう』『ロングスロー』みたいに言うんですよ。海外のサッカーを見たら、むしろ優しい」と指摘。こう本音を打ち明けた。 「引退したから言えるんですけど、ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない。(日本では)どうしてもマナーだったりルールだったりの意識が強い」 同氏は、日本代表が世界一になるためには、そういった意識や文化を変える必要性があると主張。「町田がこれだけ批判をされたのを見ながら、日本のサポーターはもっと考え方がアップデートされないといけないと思いました」と私見を締め括った。」
ところで、この鄭大世の町田擁護論は、失礼ながら行き過ぎである。「ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」
チョンテセは一体、イングランドやスコットランドを知っていないのだろうか? 前田や古橋がちょっと長く痛そうに転んでいると、たちまち激しいブーイングが起こる国である。シミュレーションなどは、論外という国なのだ。だからこそ、バルサ時代からこのネイマールについて、僕はここでもこう予言してきた。
『ネイマールがいくら望んでも、イングランドには一生行けないだろう。あれだけ世界でシミュレーション・「ネイマール」が有名になってしまっては、ブリテン島には徹底的に嫌われる』
ブラジル代表のエースといってよいあれだけのネイマールなのに、パリ・サンジェルマ長く長く在籍させた後は、アラブの高額オファーに選手晩年を費やすしかなくなったのだった。ネイマールがブラジルの習慣を出していただけであるのに対して、「どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」は通用しなかったのである。少なくとも、サッカー発祥の地、ブリテン島には。
イングランドに行きたければ、日本選手もプレープレーマナーを振り返ることだ。「すぐ倒れる」のが習慣になっていれば、プレミアには行けない。このことを最もきつく知っている人物こそ、岡崎慎司である。彼の敢闘精神をこそ、チョンテセももっと注目すべきである。