再起をかけた大相撲春場所、土俵際まで追い込まれたが鶴竜の活躍で救われた。追い込まれた原因は2つ、第一に挙げなければならないのは琴奨菊と稀勢の里のふがいなさだ。琴奨菊は右脇が甘く右ですぐ抱え込む悪い癖が出て苦戦続きだった。稀勢の里は白鵬戦で見せた力を下位力士には出さず油断して負けた闘いが多かった。
二人とも九勝六敗でクンロク大関となり、琴欧洲(今回は八勝七敗)の仲間入りになってしまった。これまで大関に安住し、優勝争いから圏外の大関が多かった。琴奨菊と稀勢の里にはそうなってほしくないし、日本人横綱の候補者として精進してもらいたい。
次に横綱の期待がかかった把瑠都だが、後半に固くなり自滅した感がある。白鵬が一人横綱で頑張り、優勝をしたが白鵬だけに重圧が掛かり、気の毒だ。はやく把瑠都が精神的に成長して横綱昇進を果たすことが望まれる。
そうした不振を鶴竜が救った。白鵬と同じく体重不足で1度は弟子入りを断られた鶴竜が努力し、今場所の優勝決定戦を白鵬と闘い盛り上げた。二人とも弟子入りを断られてモンゴルに帰国していたら大相撲はどうなっていたか、相撲協会幹部は胸をなで下ろしているだろう。
来場所は鶴竜も大関、6人の中で切磋琢磨して相撲の醍醐味を見せてほしい。6人の各大関は皆相撲の型が違うので実力を出し切れば実に興味のある面白い相撲になる。