ショッキングな決算発表があった。
1,経営再建中のシャープが、2013年3月期連結決算の業績予想を大幅下方修正し、これまでの2500億円の純損失から過去最大となる4500億円の純損失となる。主力の液晶テレビ事業が不振で多額の損失計上を迫られた。2年連続の巨額赤字で、赤字額は最大だった昨年3月期の3760億円を大きく上回る。
2,パナソニックも2013年3月期の連結最終損益(米国会計基準)の見通しを500億円の黒字から7650億円の赤字に引き下げると発表。やはり昨年の7000億円の赤字を上回り2年間で1兆5000億円という巨額の赤字になる。
日本のデジタル家電を代表するパナソニックが苦悩する原因はこのブログで、円高と過大投資にあると1年前に分析をしたが、日本の電機・電子・通信各社の共通的な弱点としてガラバゴスシンドロームにある。経営者はグローバル化を表明するが、日本国内市場の競争に勝つ高機能商品を作れば世界に通用するというという意識が染みこんでしまった。
確かに、1980年代前半ではカラーテレビ、VTR,FAX等、日本メーカーシェアが9割以上のガリバー的存在で日本での最先端製品は世界の最先端品で日本以外生産するメーカーは殆どなかった。時代は変わり、世界の標準品はいつの間にか日本国内市場だけの商品とは違っていた。端的に言われたのが携帯電話であり、スマホで世界標準品を作るアップルやサムスンにコスト競争で圧倒されることになった。国内メーカーでは1機種20万台で満足していたスマホで見てみると、サムスンの場合、「GALAXY SIII」の1機種で世界販売台数が3000万台という。
カラーテレビのように地デジという日本独自の規格で守られてきた製品へも今後、世界標準で大量生産するサムスンのような中韓メーカーが参入してくるだろう。スマホの二の舞になる可能性もある。