本年もメトロポリタン・オペラ(MET)の映画館での上映が 始まり、今日はドニゼッティの「愛の媚薬」を鑑賞した。お目当てはアンナ・ネトレプコで期待通りの素晴らしいソプラノだった。今回は更に情けない表情や続いての泣きべその表現では演技力の高さも披露し、彼女の多彩な才能を示した。
愛の媚薬を単なる喜劇に終わらすことなく恋に生き、愛に生きるオペラ本流のテーマで大団円となり、コメディ愛の媚薬としては珍しい演出だ。愛の媚薬の舞台はスペイン・バスク地方で登場する兵隊の帽子や市民の服装には興味深いものがあった。
これまでどおり、今回も幕間に主演者や演出家のインタビューがあり、舞台装置の入れ替えも映し出され、映画版METのサービス精神が発揮されている。これから11本のメトロポリタンオペラが登場するとの予告、来年早々にはアイーダも上映され楽しみだ。
それにしても、最近のストカー殺人事件は愛に狂い悲劇となるさまはやり切れない。