落選した民主党K君にねぎらいの電話をしたところ、力不足で申し訳ないと言った後、国会は保守勢力が何でも出来るようになってしまい行く末が心配だと、沈んだ声だった。もちろん彼の言わんとするところは憲法改正問題だ。安倍政権の執念と言うべき憲法改正は維新と合わせれば衆議員では国民投票を決められる三分の二をゆうにこえた。
戦争放棄を謳った9条のずばり改定でなく、96条の憲法改正の発議を国会議員の三分の二の賛成でなく過半数で出来るという改定に狙いを定めた。論点は9条なのだが、米軍の押しつけ憲法を自主憲法にするという名目を前面に押し出し、国民の抵抗感を薄めようという作戦に変更をした。
現在の参議院では民主党が第一党であり、今の情勢では改憲は出来ない。したがって来年の参議院選挙で改憲勢力の自民党、みんなの党、維新で三分の二を取ることが安倍政権の目標になる。改憲問題はまさに日本だけでなく、アジアにも影響する最も重要な参議院選挙の争点になるし、争点隠しは許されない。
今回の選挙で国民の関心をデフレからの脱却・景気回復に引きつけ安倍さんの狙いが当たったけど、10兆円規模の補正を組まざるを得ないことになりそうだ。公共投資の期待感から建設株が連日今年の高値を付けている。根元祐二教授の試算では全国の道路、橋、公共施設などインフラを現在のまま更新すると年間8.1兆円も必要で、かなり工夫と合理化をしなければならない。例えば、図書館や市民ホールも整理し、広域で利用するなど地域の大きな問題として議論すべきだろう。オリンピック施設も全国各地でドンネルの崩落防止が云われているので更新投資の範囲内で工夫せざるを得ない。