新興国の雄、インドと中国の経済がおかしい、そしてそれは政治に連動する。中国は今回の指導者交代の過程で温家宝前首相のファミリーの蓄財がニューヨークタイムスに掲載され、官僚、政治家の腐敗が話題をさらった。トップの共産党政治局常務委員に入る予定であった重慶書記ボシュウライの妻が蓄財がらみで犯した殺人罪で起訴され、失脚した腹いせで温家宝が刺されたようだ。習近平新主席は先ず官僚、政治家の腐敗をなくすことを主張せざるを得なかった。上海の株価は最高時の3分の1になっている。
中国がこけたらインドがあると期待する向きもあったが、好調だったインド経済も失速しそうだ。高水準を維持してきた国内総生産(GDP)の伸びは著しく鈍化。2010年に10.1%だった成長率は、11年6.8%に低下し、今年は5%を下回りそうだ。この原因は中国と同じく、官僚、政治家の腐敗で、中国の太子党同様、ガンジーファミリーが隠然たる権力を持っており、腐敗退治もソニアガンジーが鍵を握っている。
こうした現状は高度成長時には目立たないが成長率が落ちてくると、外資は引き上げにかかる。中国ではこの2年、投資を増やしてきたの日本だけで、インドも日本は熱心だが欧米の資本は冷たくなりつつある。
かつては社会主義の看板を掲げたインドも中国も結果的には貧富の格差が拡大し、社会不安が増大せざるを得ない。政府は国民の目をそらすために外敵を作ろうとする歴史がある。触らぬ神に祟りなし、英語だとLet sleeping dog lie.dogはtigerかも