1年に1回のドッグ入り、苦しいけど楽しみなのは内視鏡で自分の食道、胃、十二指腸をながめられることだ。口を開けてと看護士にいわれ、開けるやいなや麻酔薬をシューと放り込まれ、5分くらいで喉のあたりがしびれてくる。そして胃を拡張する注射を左上腕にブスとされていよいよベッド入りとなる。
胃カメラを捜査する医師との対面は緊張するが、前にかかったやさしい女医なので一安心、一通り緊張を和らげる事前説明をするがこちらは早く見たい一心で上の空だった。口におしゃぶりみたいな管をくわえそこから内視鏡を入れる。これが結構役に立つ、緊張したりげっぶが出そうになるとこの管をグッと噛むことで堪えられる。内視鏡がのど仏を通る時が辛いがそれが過ぎるとモニター画面に集中できる。ハイビジョンクラスの液晶になりかなり見やすい。
ピンクの食道をゆっくりと進み、胃の入り口にかかったとところで花びらのように炎症している。医師の説明「胃酸が逆流して炎症をおこしている」後の内科医の診断は「気にするほどのことではない。病名を無理して付ければ逆流性食道炎」とかで特にお咎め無し。この辺に来ると、自分で自分の中にぐいぐいと入っていく感じで迫力もある。昔読んだミクロの決死隊で人間の内臓に入り込む探検物語を想起する。
先ず、胃に入ると、遠くに黒い穴が見え、カメラはそこへ直行する。医師はまず十二指腸を見ましょうと穴から入っていく、異常なしで胃へ引き返す。自慢するわけではないがピンクからオレンジぽくなった胃は実に綺麗で荒れてるところはないが、以前からある小さなポリープを再発見、内視鏡の管を使って塗料を送り込む細い管を通し、青色の塗料を吹きかけポリープを浮き出して観察、後ほど内科医は「まあニキビみたいなもんだ」と安心させた。もし新たなポリープが見つかると、内視鏡の先にあるつまみではぎ取り良性か悪性かすぐ検査をして通告される。
検査が終わり、内視鏡を引き上げる時には、長いトンネルから出て来るような感覚だ。