行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

アフリカ開発は人材投資から

2013-06-02 22:27:11 | Weblog

官民挙げてアフリカ開発へのかけ声でマスコミの報道も過熱気味だ。アフリカの特にサブサハラの国々の労組指導者からかねてより聞かされてきた恨み節を思い出した。欧州の植民地から解放されたが、その後の欧州の援助は資源を掘って持って行くだけで、巨大な穴を残して、民の生活はいっこうに向上しなかった。ナイジェリアのように石油大国で、本来ならサウジやブルネイのような生活を送れるのに一人あたりのGDPは2700ドルにすぎない。

中国が資源や食糧を目当てに、多くの中国人を送り込み開発してるが、これに対抗しようなどとは思わない方が良い。欧州でもない,中国でもない、真にその国の民のために(往々にしてその国の政治家のため)日本流の開発を目指すべきだ。

私が相談役をしている国際労働財団は1989年以来多くのアフリカの労組指導者を招き、研修だけでなく日本ファンを増やす努力をしてきた。初期の指導者は既に国会議員や大統領になった人材もおり、親日指導者となっている。日本流の援助は人材教育をベースに製造業の発展を見据えたものにすべきだ。中国のように自国産の安い製品を輸出し、その国の製造業の育成にマイナスになることは避け、ものつくりは現地生産を基本とすることだ。


製造業は人々の生活を天候に左右されないより安定したものにする。アフリカ人が日本に来て先ず驚く習慣は「時間厳守」で、慣れるのに苦労するが、研修の日程が進むにつれ時間厳守がいかに事業の基本であるかを理解する。日本だって、かつて農業主体経済であった時には時間厳守など主たる規範ではなかったと先日ある教授から教わった。

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