16日付けのニューヨークタイムスで「解雇できない日本の労働者をboredom(退屈する)部屋へ移動」とやや皮肉交じりにソニー従業員の例を紹介している。「ソニー仙台技術センターの谷さん51歳は2年前に退職を勧められたが拒否をして、小さな部屋いわゆる追い出し部屋に移動させられ、毎日、新聞を読み、ネットを見ているだけの生活だ」
「戦後の奇跡的発展をもたらした終身雇用や年功序列賃金は従業員に忠誠心をもたらしたが、90年代の不況に入り、減量経営の前で風前の灯火であり、かといって厳格な労働慣行で解雇はできず、window seat tribe(窓際族)を生みだし、現在では、要らなくなった労働者をchasing-out(追い出し)部屋に移動させ、他に職を求めるか自主退職を求めている。ソニーだけでなく、NECやパナソニック、東芝でも同様の追い出し部屋を設けている」
会社側は「自主退職労働者には54か月の退職金を払う破格の優遇だ。追い出し部屋に移動させる目的は自分がソニーでは役に立たないと自覚させることが目的だ」と言っている。
米国の場合、簡単に解雇ができるので、陰湿なことにはならない。ニューヨークでも余剰教員を「rubber rooms」ゴムの部屋に押し込めて解雇を試みたが2010年に終了した。自動車メーカーでは労働組合と協定を結び余剰労働者を倉庫に移動という例があるとも報じている。