オランダに来たらフェルメールの作品を見なければとの強迫観念に見まわれる。30年も前だったらそんなことはなかったのだが、近年フォルメールの作品が少ないこともあって評価がうなぎ登りだ。今回のオランダ訪問では国立美術館の「牛乳を注ぐ女」など4点を見た後、ハーグのマウリッツハイス所有の2点を見に行った。マウリッツハイス王立美術館は2014年の夏まで改装中で、マウリッツハイス・コレクションの主な作品をデン・ハーグ市立美術館で見られると聞いていた。
残念ながら「真珠の耳飾りの少女」は日本にも来たがいまだ世界ツアー中、現在はイタリアのボローニャで出稼ぎしているとのこと、この少女はオランダのために実に頑張っている。マウリッツハイスの様子は目下突貫工事中で、2014年7月再開を目指してるとのこと。
ハーグ市立美術館では「デルフトの眺望」がつい最近画かれたごとく燦然と輝いていた。背景の明るさと手前の暗さで見事な遠近法を駆使しており、絵の前から立ち去りがたい風景画だ。オランダでは雲を一日見ていても飽きないとガイドが言っていたとおり、その雲も見事に画かれている。