行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

正体を現したブラック企業

2015-07-03 22:03:48 | Weblog

靴の販売店ABCマートが従業員に違法な長時間労働をさせていた疑いが強まり、東京労働局は2日、労働基準法違反容疑で法人としての同社と役員ら3人を書類送検したとの報道。この数年ブラック企業の存在が噂されていたが、労働局は4月に「過重労働撲滅特別対策班」を設置し、大手企業に絞って調査を進めていた。全国規模で調査し、従業員の違法な長時間労働で年3回是正勧告を受けた大企業の社名を公表する方針を打ち出している。

報道された法違反は、労使の時間外労働協定を大幅に超えるケースと協定そのものを結んでないで時間外労働をさせたケースだ。労働基準法では、時間外労働を従業員にさせる場合は必ず労使で協定を結びその範囲内で時間外労働をすることになっている。その場合でも従業員の同意が尊重される。従って協定無しでは時間外労働を命じることは出来ない。

東京労働局によると、同社の嫌疑は昨年4~5月、「Grand Stage池袋店」で労使協定無しで20代の男性従業員2人に、月112時間と97時間の違法な残業をさせた。「ABC-MART原宿店」でも男女社員2人を、労使協定で定めた残業時間(月79時間)を超えて月109時間と月98時間の違法な残業をさせた。同社は過去にも全国の複数の店舗で行政指導を受けたが、是正されなかったため、書類送検する必要があると判断した。

ABCマートは2015年2月期の連結売上高は約2100億円、店舗数は全国に約800店で2015年3~5月期の連結営業利益は、前年同期比3%増の135億円前後で、3~5月期として過去最高を更新したが、陰には従業員の過酷な労働が存在していることが明らかになった。

違法な長時間労働で病気や自殺に追い込まれる人が後を絶たないとして、厚生労働省はブラック企業の監視を強化しているが、最近ではブラックバイトなどと、労働法に無知な学生アルバイトの問題が浮上している。労働基準法の周知をマスコミを通じて喧伝する必要がある。

 

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