行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

そこまでやるか中国の株価対策

2015-07-09 22:32:21 | Weblog

前回のブログで、中国政府の上海市場株価対策として国有の証券会社21社が2.3兆円で株を買い支えるが効き目はあるかと書いたが、8日の市場では8%もの暴落で日米の株価も大きく下げた。更に5兆円の資金を投じて買い支えることを発表した。中国の8割を占める個人投資家は儲けの率が高い信用取引(証券会社から借金をする)で投資をしており、その残高は44兆円にも達するという。株価が上がっている時は良いが下落に転じると、借金を返すために損害を少なくするため売り急ぐことになり、下落に拍車がかかってしまう。買い支えることには限界がある。

そこでとった対策は次のように驚くべきものだった。中央銀行の中国人民銀行は「様々な手段で流動性を供給し、金融システム不安を抑える」と緊急声明を出し、国有企業の監督当局や保険当局は、市場の混乱が続く間は大手国有企業が持ち株を売りに出さないことを宣言。そして上場している企業に売買停止をさせるという前代未聞の策だ。政府や中央銀行が株価を支える対策は日銀でもやり出したことでうなずけるが、上場している株の売買停止ということは商品を出荷しないということで、コンビニ行ったら半分も商品がないといった状態なのだ。これでは売るもの限られているので本日の上海市場は5.8%の上昇となり、かたちの上では下げ止まった。しかし売買停止の影響は大きい。社会主義市場経済と中国政府はいうが、ここまでやると国家資本主義そのもので世界2位の規模になった上海市場は大きく信用を落とすことになるし、下がることをいやがって売買停止したのだから売買停止を解いたらその株に売りが殺到するかもしれない。中国株を組み込んだ日本で売ってる投信も売買停止の影響を受け、売買ができない状態となり、おっかなくて中国関連の投信は買えない。第3者の経済学徒にとっては興味深く見物させて貰う。

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