日本マクドナルドホールディングスは8日、6月の既存店売上高が前年同月と比べ23.4%減ったと発表した。マイナスは17カ月連続。減少率は5月(22.2%減)から拡大した。 昨年7月に発覚した中国でのチキンナゲット事件(期限切れ鶏肉の使用問題)や今年1月に明らかになった商品への異物混入の影響が続いている。客数は10.4%減と26カ月連続のマイナスだ。日本だけでなく、米国でも信頼できる材料を使った高級ハンバーグチェーンがマックの牙城を切り崩している。5月下旬から新商品を投入するなど全社を挙げての努力も挽回は見通せない。世界一のブランドといわれたマクドナルドも毀損されたブランド力を取り戻すのは容易ではない。
今明らかになりつつある東芝の粉飾決算問題、通常の事件とは全く異なる展開となっている。通常の粉飾決算問題は事業部とか工場といったプロフィットセンターが成績を上げたいがために本社への提出で粉飾をする例が多く、それをトップ経営者であるCEOが見抜けなかった事例が多い。この場合、プロフィットセンター内部から経営トップへ内部告発があり、企業内で是正され外部には出てこない。ところが東芝では3代にわたって経営トップが自ら粉飾を促したか、指揮した色が濃い。田中社長自ら140年築いてきたブランドが崩れたと語っているが、粉飾していることを内部告発してもトップに握りつぶされ、外部に告発するしかないだろう。今後株主から損害賠償や責任追及の訴訟が起こされ、毀損されたブランドの復活にはどのくらいの労力と時間がかかるのだろうか
私は金属労協の事務局長を務めていた時には、日経連や経団連にたいして何回も社会的責任を遵守する企業行動規範を求め、多くの大企業では宣言なり、社内基準を作ったが、リーマンショックで忘れ去られたのであろうか