行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

2015連合春闘2.2%のアップ、これからの課題最低賃金アップ

2015-07-17 22:35:21 | Weblog

連合が発表した2015年春闘最終集計によれば、平均賃金方式で回答を引き出した5,469組合の回答(組合員数加重平均)は、額で6,354円、率で2.20%となった。それぞれ前年から額で426円増、率で0.13ポイントの上昇。このうち、組合員数300人未満の中小組合(4,111組合)の回答は、額で4,547円、率で1.88%となり、前年から額で349円増、率で0.12ポイント上昇し、全体集計とともに昨年同時期を上回ったささやかな成果だ。

中央最低賃金審議会で地方最低賃金の目安を7月末に出すが、参考値として重要なベア分(賃上げ分)について前年と比較が可能な同一の1,958組合の集計結果をみると、賃上げ額は6,887円(定昇相当分5,002円、賃上げ分1,885円)、率は2.36%(定昇相当分1.72%、賃上げ分0.64%)となり、前年から額で542円増、率で0.16ポイントの上昇となっている。
昨年は7月29日に中央最低賃金審議会が示した目安を受けて、各都道府県の地方最低賃金審議会が地域別最低賃金の金額改正を行い、全国加重平均では16円の引上げとなり、最高額は東京都の888円、最低額は677円(7県)となった。昨年の最大の課題であった5都道県(北海道、宮城、東京、兵庫、広島)での最低賃金が生活保護水準を下回る“逆転現象”がすべて解消された。

今年の目安額は昨年の16円を上回る額を増やすことが焦点ではあるが、現在の最高額と最低額は1.3倍ほどの格差があり、地方経済活性化にはこの格差を縮める政策が必要だ。水準的にはかつて民主党政権が目指した1000円を目標に連合は今年は20円程度の要求をしている。欧米に較べると、下記のように最低賃金の貧弱さが目立つ。

米国では今ファイト・フォー・フィフティーン(Fight for Fifteen)運動が全米で展開されようとしている。連邦最低賃金が7.25ドル(時給890円)を、人間らしい生活ができる最低水準となる貧困ラインを上回る賃金、15ドル(1845円)を獲得しようという大衆運動でオバマ大統領も支持している。欧州では1500円前後の水準だ。

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