行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ギリシャ、ギリシャと騒ぐけど

2015-07-07 22:31:55 | Weblog

ギリシャ国民がEUの緊縮策にノーと投票し、昨日は日本の株式相場が大幅に下落した。マスコミは大騒ぎだったが、私たちの生活に直接響くようなことではないと思うのだが、昨日は金融業者から電話があり、大変な事態に発展するから金を買えと言ってきた。ギリシャの変事で株や商品相場が動けば動くほど投機家には儲けるチャンスが出て来る。つまり相場が動かないと困るのだ。2012年2月、EUから13兆6500円のギリシャ支援が追加され、民間債権の半分以上11兆2000億ユーロが放棄されることになった。そのかわりギリシャは160%にのぼる政府債務のGDP比率を120.5%へ低下させることになった。そのためギリシャは年金を削り、公務員の数を削り、税金も上げたが、経済は回復することなく失業率が高くなった。日曜の投票結果はもうこれ以上の緊縮策はできないという意志表示だ。前回は民間債権が放棄されたが、今や32兆円の膨大な借金はEU諸国に残っている。返済ができないことは明らかで棒引きしかない。そんなこと判っているのに協議を続けることは株や商品相場を動かそうというモーメンタムが働くだけで見え透いている。

自分たちの生活に影響がより大きいギリシャ以上の変事が中国で起こっている。中国の上海市場では今年に入って、不動産投資にむかっていた個人資金が株にむかい1年で2.5倍となり明らかににバブルになっていた。そしてピークの6月12日から3割近くまで暴落し、2.7兆ドル(332兆円)が蒸発した勘定だ。この数字はギリシャの借金の6倍で、ギリシャのGDPの11年分だ。国有証券会社21社が政府の意を受けて19.40億ドル(2.3兆円)を拠出し、市場で買い支えに入ったが予断は許さない。中国上海市場の投資家は8割が中国の個人で、被害を受けて個人消費が縮まるだろう。中国は日本にとって最大の輸出市場であり、最近ではインバウンド消費の主役だけに、今後じわじわと日本経済に影響を及ぼすだろう。

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