毎年NHKで終戦特集を組むが、今年は終戦70年で新発見の史実が報道された。2009年には海軍旧幹部の反省会の録音テープが公開され、なぜ日米開戦が防げなかったかという内部からの重要な証言があった。今年はやりNHKスペシャルで驚くような史実が明らかにされた。
私はかねてから米軍による広島、長崎への原爆投下、都市への無差別爆撃、機銃掃射等、人権とヒューマニズムを吹聴する米国が戦争中とはいなぜそのような行為を行ったか、また米国民はなぜそれを許容してきたか疑問に思っていた。NHKスペシャルによると米国の国民に対する徹底した宣伝強化を行った映画フィルムが発見され、その内容が紹介された。当時はテレビがなかったので映画ニュースにより、「日本国民は軍国主義政府による宣伝で狂気になっている状態であるとし、米軍を守るためには一般市民への無差別攻撃もやもえない」とした。映画ニュース報道の中でも日本国民の狂気さを強調するシーンとして何回も米国民が見せられたのがサイパンのバンザイクリフから自らの赤ん坊を海に投げ、自分自身が投身自殺をする悲劇的場面だった。この効果は絶大で、米軍の被害を少なくするためには無差別爆撃も止む得ないということになり、原爆投下につながっていった。
戦勝国である米国といえども大勢の市民に対する無差別爆撃、特に広島、長崎に対する原爆の投下は人類に対する犯罪だと米国の指導者は内心忸怩たるものを持ってることだろう。オバマ大統領が核廃絶を誓いノーベル平和賞を貰ったことを忘れてはならない。今頃になってロシアのプーチン大統領が米国も戦争犯罪を裁かれるべきであると口にしている。お笑いに近い身勝手な政治指導者の言葉ではあるがオバマ大統領にとっては痛いところをつかれている。
米国でも先の大戦での行為(歴史的事実)に対しいつまでも頬被りは許されないことで、内部から反省する分析なりコメントが出てくることが望ましい。米国で原爆写真展がなかなか開催できなかったが、今では自由に写真展が開催され、米国民も原爆の恐ろしさと被害のおぞましさを認識している。安倍内閣の戦後70周年談話が出されたが、未来に向けての内容に力を入れたと言っているが、「広島、長崎の原爆投下は非人道的で、未来永劫にどの国も犯してはならない」ぐらいの訴えを入れるべきだった。